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シュマリ2 手塚治虫文庫全集

それなりには、おもしろいと思うのだけれど、主人公のシュマリ自身が、なんとなく訳のわからないキャラクターになっているなぁと。
手塚 治虫の「あとがき」を読むと、なんでそうなっちゃったのかが少し見えてくる。

たとえ、好意的にかくとしても、その歴史を背負った人たちから見れば、違っていたり、違うように見て欲しかったりする。
現実にあるものをかくのは、難しいものです。

でも、その分か、自分の好きに生き生きとかいた、大財一族の人たちは、本当に生き生きしています。

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鉄腕アトム8 手塚治虫文庫全集

手塚 治虫は、かかされたみたいに言ってるけど、この一連の流れは、けっこう名作です。

まあ、最後のアトムの変化が若干唐突なんですが。

このロボットにも人権をという流れ自体は、前巻あたりから、もう出てきているし、物語としてはじめから内包されていたもののような気かします。

そして、こういう善悪とはなにかという哲学的な話になると、天馬博士という複雑な人物は、本当に輝いてきます。
昔は、なんで、かつて捨てたアトムにこんなに執着するのかがさっぱりわからなかったのですが、その複雑な愛憎が魅力的にキャラを立たせています。

そして、人間的な正しさは、その人の能力とは何の関係もないのだという、強烈なメッセージも、受け取ってしまう。
どんなに、お茶の水博士がいい人でも、アトムは天馬博士にしか作れないのです。

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アトムキャット 手塚治虫文庫全集

「鉄腕アトム」のリメイク「アトムキャット」と、小学1年生版の「ユニコ」です。

アトムキャットのリメイクの仕方は、さすがだなぁと思わせます。確かにリメイクといわれればそうなんだけれど、言われなければ気づかないような工夫がされています。まあでも、おもしろいかどうかは別。

「ユニコ」はスクラップスティックです。本当にドタバタだけで終わっている感じ。

この手の子ども向けは、藤子・F・不二雄の方がうまいよなぁというか手塚 治虫の持ち味ではないというのが、正直なところです。

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ライオンブックス1 手塚治虫文庫全集

多分、題名が「ライオン」だったので、「ジャングル大帝」みたいなお話かと思っていましたが、全然、違っていました。

けっこう、意欲的な短篇集。短編の傑作集とかで、読んだことがある話も見られました。

お話があふれる人なので、同一のキャラクターでシリーズかくよりも、こんな短編の方がむいていたのかもしれないとも思います。

長編が、おもしろくないわけではないのですが。スターシステムとも、関係しているのかも。

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どろろ梵4

どろろ梵、完結。

元の「どろろ」が、次第に権力との戦いのお話になっていったのは、もともと、「どろろ」が、忍者物などの劇画に挑戦しようとしてつくられたものなので、仕方なかったのかも。
百鬼丸誕生そのものが、権力を得るため儀式だったし、物語として、それが内包されていたのだと思います。

でも、本当は、こっちの方向に進む道もあった気がします。そんな「どろろ梵」でした。

そして、物語は終わらない。
突き抜けて、広がっていきます。

素敵だ。