エリア88 9
ある意味、今の予言みたいな作品になっていると思います。利権の構造は、現実はもっと複雑怪奇になるわけですが。
ボードゲームのお話…といっても、もともと20年ぐらい前の本で、カタンもなかった時代の本なので、取り扱われているゲームは、伝統的なゲームがほとんどです。
でも、こういう考え方は、今のゲームでも、ものすごく通用するなぁと思いました。
わたしは、あんまり頭が良くないので、ゲーム理論までいってしまうとわからなくなってしまいます。
でも、けっこう面白かったです。
草場 純さんの知識というのは、これから、100年後、200年後のために絶対に本にして残しておくべきものだと思います。
ぜひ、世界中の、日本中の、いろいろなゲームの遊び方の本を執筆していただきたいです。
あと、巻末コラムの「歴史は遊ぶ」みたいなウンチク話も、いっぱい聞きたいです。
シャナラの剣の秘密が、今、明らかに!
「シャナラ・トリロジー」と聞いていたので、てっきり、「指輪物語」と同じように、全6巻ぐらいのお話だとおもっていたのですが、シェイのシャナラの剣をめぐる物語は、これで、完璧に完結しています。
そして、この上下2巻のなかに、ギュッと、「指輪物語」のエッセンスが詰め込まれている感じです。
王位をめぐる兄弟の対立、魔力あるアイテムに魅入られた者、旅の仲間たちが別れてそれぞれの義務を果たしていくさま……。
多分、テリー・ブルックス自身が、メチャクチャ指輪物語を意識して、この物語を作ったのだと思います。
そして、ギュッと詰め込まれた分だけ、展開もはやく読みやすいです。
シャナラの剣の秘密も、単純なパワーアップアイテムに脱していなくて、これだけでも、わたしは感心しました。この人の本、続きを読む価値あると思いました。1
でも、軽さは浅さでもあります。
もうちょっと、掘り下げて書いていって欲しいと感じるところも、多々あります。特に、情念の部分は、けっこうあっさりしすぎな感じです。
だから、こここから入っていって、いつかは、トールキンと出会って欲しいなぁという気はします。
「デクトラ・クエスト」よりは、子どもたちにオススメしたい物語です。でも、子どもが読むには、軽さが足りないかなぁ。
微妙な位置づけの物語です。
テリー ブルックス
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そして、ヒーローというのは、悟空のことではなくて、三蔵のことだったのですね。
なかなか、納得の結末だと思いました。
なんかコレ、インタビューでも言ってたけど、最後まで読まないと伝わらないものが多いと感じました。
続けて読んでいく読みやすさでは、「覚悟のススメ」の方が読みやすいと思いますが、テーマ的には、こっちの方が好きです。
えー、こんなん出てたん!
と、本屋さんで見かけてビックリした吉田 秋生の新しいマンガ。
出てから、1年近く、気づかなかった。
舞台は、「ラヴァーズ・キス」の鎌倉。
というか、藤井 朋章……って、あの藤井 朋章ですよねぇ。高校3年生になるまでは、こんなことしてたんだ。
あのタラシの噂は、本当だったんですね(爆)
でもまあ、それは、メインのストーリーではなくて、奥の深い背景。
メインは、鎌倉に住んでいる4姉妹のお話。
なんか、いいですよこれ。鎌倉に住んでみたいと思わせる物語です。
吉田 秋生の物語は、「河よりも長くゆるやかに」とか、「ラヴァーズ・キス」とか、「櫻の園」とか、海街diaryのシリーズと同じく、現実よりのお話と、「BANANA FISH」とか「YASHA」とかのアクションの強いお話とがあります。
で、物語の派手さや、エンターテイメントとしては、多分、後者の方が面白いと思います。
でも、前者の物語も、なんか、こころに足跡をつけていくような、きつい描写はないのに、なにかが刻まれるような物語なのです。
「河よりも」の続きがかかれることはもうないのかもしれないけれど、こうやって、かき続けられている物語が、「河よりも」を含んで展開されていっているような気がします。
そして、やっぱり、長女は大変だなぁと思った。