素敵すぎる!!!

万城目学,読書

鹿男あをによし

ベラボーにおもしろいです。

ちょうど、この本を読む直前に、ねぇさんにさそわれて奈良にいってきたので、余計にそう思えるのかも。
平城京跡のあたりを歩いたのですが、まさに、この本に出てくる景色がそのまま広がっていて、もう、目の前にその風景が浮かんで浮かんで、こんなに突拍子もない話なのに、またしても、

「これ、ホントーの話だから」

とか、言いたくなってきてしまいました。
うん、この人の小説は、ぶっとんでいるけど、リアルだ。そんなことがありそうな気がする。

まあ、このタイムリーな奈良行きにはタネがあって、先に、この本を読んでいたねぇさんが、奈良に行って、この本の風景を見たいと思っていたのだそうです。
で、ならでは、いろいろこの本の話がしたかったのですが、まだ読んでいないわたしのためにグッと我慢していたそうな。

あっこに、サンカクが埋められていたんだよなぁ……。

どおりで、なんか寂しそうな建物なのに、けっこうしつこくねぇさん行きたがっていたはずです(笑)

以下、ちょっとだけネタバレです。


サンカクも、うまく騙されました。奈良のサンカクで、1番最初にアレは思い浮かんだのですが、お話の誘導にまんまとやられちゃいました。

さんかく「ぶち」しんじゅうきょう。なんですね。今まで、さんかく「えん」しんじゅうきょうなのだと思っていました。
ためになる小説だ(笑)

しかし、

あの電車、あきらかに朱雀門の内側を通っているよなぁ……。

とか、

鹿、普通に町の中歩いているし、

という奈良の風景そのものが、ファンタジーなんだと思いました。

陽性の「鴨川ホルモー」に比べると、年も28歳だし、神経衰弱だしと、ちょっと暗い感じがしないでもないのですが、それでもなんか、冷静なところが笑えてしまう。そして、ぶっ飛んだところが笑えてしまう。
人を笑顔にする小説というのは、うん、いい小説なんだと思います。

ラストシーン、けっこう清々しくて好きです。
でも、多分、それは恋愛には続いていない感じがして、そこも、いいなぁと思います。真相は、「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」でわかるのかな?