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パノラマ島綺譚 江戸川乱歩全集2

第2巻にして、いきなり

「書けない~」

と叫んでいる江戸川 乱歩でありました。

割とこの全集は、年代順に並んでいるようなので、その後、28巻分も文章(小説だけではないけれど)を書いたというのは、すごいですねぇ。
1巻で、本が2~3冊分はありますから、少なくとも60冊ぐらいは書いていることになります。

で、わたしが江戸川 乱歩にもっている猟奇的なイメージは、このあたりの作品のようです。

おもしろいと思うけど、このあたりの作品の評価が、乱歩自身低いのは、本人が、

「こんなんじゃなくて、本格推理を書きたい!!」

と思っていたからなんだろうなぁと思います。

1巻を読むと、もともとが、本格推理をさらにひねったところから出発しているので、自分の作品のアラや、限界が見えちゃうんだろうなぁと思います。

しかし、古今の名探偵が思わせぶりでイヤな奴なのは、もしかしたら、作者がそのときにはトリックを考えられていないからいもしれないと思ったりして。
まあ、あんまりすぐに推理を披露しちゃうと、お話が続かないのだけど……。