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栗本薫・中島梓傑作電子全集6 白銀の神話

「白銀の神話」全4巻。「魔界水滸伝」の外伝です。

前の「新・魔界水滸伝」全4巻にくらべると読みやすい。
まあ、「魔界水滸伝」からの流れの勢いが、「白銀の神話」の方が、全部ストレートにかかってくるからねぇ。

まあ、性技によって、敵を骨抜きにしたりもしていますが、基本、信長多一郎、メッチヤ、正義の味方です。おいおい、お前、そんないいやつだったかみたいな。

そして、秀吉が、本物の猿。これもいいキャラです。
いやぁ、あとがきを読むと、栗本 薫の想像が、歴史も現実もねじ曲げている感じがしておもしろいです。

もしかすると、この本を読むことで「確定」しちゃった歴史があるのかもしれないと思える。
あと、なんでグインがシルヴィアにあんなに惹かれるのかという答えの一部も、ここにはある感じがします。

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栗本薫・中島梓傑作電子全集5 新・魔界水滸伝

リブートして、そして途中で止まってしまった「新・魔界水滸伝」です。
うーん、今回、全集に収録という事で、4巻続けて聞いていた(アレクサに読んでもらっていた)のですが、ちょっと苦しかったです。

まあ、前の「魔界水滸伝」は、なんというか特に知ってる妖怪たちのワチャワチャしていたところが大好きだったのですが、今回は、いきなりそれから切り離された感じでした。
なんか、今まで知り合いと楽しく遊んでいたのに、突然、知らない人たちのとろこに連れてこられた感じ。

とにかく雄介たちが出てくるまでは、まったくといってほど面白くないという。そして、やっと面白くなってきた感じがしてきたら、終わりになってしまいます。

というか、「魔界」もはや、関係なくないですかみたいになっているのが悲しい。空間的にも、時間的にも、壮大になっていっているはずなのに、「魔界」がないために縮んだように見える気がします。
もしかすると、ここから広がっていくのかもしれなかったのですが。

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栗本薫・中島梓傑作電子全集4 SF1

カローンの蜘蛛

トワイライト・サーガ1巻目。
この本は、昔ハードカバーを持っていました。なんせこれは、天野さんの表紙が格好良くて買ったのです。割とすぐにそのままのカバーイラストで角川文庫に入ってちょっとショックでしたが。

昔、読んだときは、1巻目は、ちょっとダルいかなぁと思っていたけど、今回、アレクサに読んでもらっているとおもしろいというか、ストーリー的には確かにダルいんだけど、雰囲気はこれはこれで好きだなぁと思いました。
グイン・サーガは、どんどんおもしろくてサクサク読める物語になっていったれど、この読みにくさというか濃厚な感じも良いです。これがこのまま続いていたら、それはそれで、グインとはまたまったく違ったものになっていたなぁ。

けっこう、ゼフィール王子の中二的な設定が愛おしい。

カナンの試練

トワイライト・サーガ2巻目。
3巻目がでなかったのが、残念でならないですねぇ。

昔読んだときは、雰囲気の1巻、盛り上がりの2巻みたいな感想で、2巻目の方がおもしろかった印象があるのですが、今回は、2巻の印象が薄かった。アレクサに読んでもらった時期がいろいろ考えなければならない時期だったということもあり、あんまりお話が入ってこなかった感じもあるかなぁ。

まあ、わたしの頭が悪くなってきて、ストーリーよりも雰囲気重視になってきているのかも。

パロスの剣

魔導王国ではないパロ。
でも、パロスの剣という不思議な力はあったり、双子の国と呼ばれたりしているのね。
このあたりが、ちょっと不思議な感じがします。

マンガを読んでたときは、ラストとかとくに、なんのこっちゃという感じだったのですが、小説はまあ、それに比べるとましかなぁ。
でも、結局、エルミニアって、国を滅ぼしたんだなぁと。そして、この後、跡継ぎのいないパロってどうやって復興したんだうろとか気になります。

でも、小説を読んでからマンガを読むと、ザックリ刈り取っているなぁというのがよくわかってそれはそれでおもしろいです。

魔境遊撃隊

天野さんのイラストが印象的で記憶に残っている「魔境遊撃隊」です。

ストーリーとかは、まったく印象にのこっていなかった。
覚えていたのは、印南 薫が足をけがすることと、秋月があるキャラクターのモデルだということぐらいでした。
ああでも、月十字教団は誰かは、推理通りだったので実は覚えていたのかも。

うーん、記憶にないことも考えると、そんなにおもしろいと感じなかったのかも。

<新日本久戸留綺譚>猫目石

うん。
栗本 薫は、ラヴクラフトよりも、多分、ダーレスと相性が良いのだと思います。
ホラーって、ストーリーが邪魔になるし、どう考えても栗本 薫って、ストーリーの人だから。

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栗本薫・中島梓傑作電子全集3 ぼくらの時代

ぼくらの時代

まあ、わたしらよりも1世代上の人たちの青春である「ぼくらの時代」です。
多分、わたしらは、「ぼくらの時代」よりも、「グイン・サーガ」から栗本 薫に入ったのではないかと思います。もしかすると、「トワイライト・サーガ」からかもしれない。
おそらく、「ぼくらの時代」をはじめて読んだのは、中学生ぐらいのときかなぁ。

でも、一世代上といいつつ、小学生時代から従姉の影響もあり、少女マンガなんかをよく読んでいたわたしとしては、良くわかる話だなぁというか、同世代の空気や雰囲気は、感じていたような気がします。
まあ、ねぇさんのと気があったり、話があったりするのは、この辺の教養のおかげです。

多分、これ小説読む前に、雑誌にのったマンガを読んでいるんですよ。そこで、

「笑ったね、悪党ども」

という名セリフも読んでいたし、トリックもしっていました。

いや、本当にそんなマンガがあったかどうかは、確かめようがないのですが、たしかに、このテンポや会話、知ってると感じながら読んでました。

なんだろう。なかにめちゃくちゃウェットなものを含んでいるくせに、やっていることはものすごくドライというこの感じは、まさに時代だよねぇとしかいえないです。
その頃のわたしの行っていた中学は荒れていて、そういう雰囲気ともフィットしていました。

その時の「空気」が、わからない人にとっては、全然、理解できないのではないかと思いつつ、その時の「空気」をものすごく正確に切り取っているという意味では、やっぱり、名作なんだと思います。

文体は、かなり計算されていてあざといと思います。まあ、そこを含めての空気かな。

ぼくらの気持ち

少女マンガ家たちの世界が舞台という以外は、案外覚えていないものです。

まあ、覚えていたのは、ヤスが就職した。ダーティペアが出てきた。みたいなことだけ。
薫くんの恋とか、どんな推理があったかとかは、さっぱりです。

ああでも、名探偵の謎解きのない推理小説なんてつまらないというのは、覚えていた。というか、ここで読んだのか。どっかで聞いたセリフだと思ったけれど、この本だとは思わなかった。

時代は、やおい華やかりし頃。で、けっこう、その世界の大御所の割には、辛辣です。
まあ、「ぼくら」シリーズは、他人から受け入れられるために書かれている小説なので、まあ、そういう書き方になるかというのもわからないでもない。多分、前回読んだときには、そんな辛辣さは、わたし自身もそんなに気にはならなかったので、時代がかわったというのもあるかもしれない。

でもなぁ、自らのバンドに「ポーの一族」ってつけている薫くんが、そこまで、やおいを嫌うかというのは、ちょっとあります。まあ、そういうポーズをしていないと、何をいわれるのかわかったもんじゃない時代でもあったんだと思うけれど。
そして、薫くんが、その時代を映す鏡としてのキャラクターだとしたら、そういう反応しかありえないのだともおもうのだけれども……。ちょっと、もやっとする感じではあります。

「猫目石」で、薫くんが恋する話を覚えていて、あぁ、でもこのキャラクターの女の子の好みというのは、ものすごく一貫しているんだなぁと、それは、今回あらためて読んで見て、ものすごく思いました。

ぼくらの世界

ぼくらシリーズって、3人組が一人一人離れていく話なんだなぁと。
「ぼくらの気持ち」ヤスが離れて。「ぼくらの世界」では、ほぼ薫くん1人の物語と言ってもいいと思います。

そういう変化と、感じなくてもいいぐらいの自分を持っているはずなのに、時代の空気というを感じずにはいられない作者の栗本 薫との葛藤があるみたいで、あとがきがちょっと切なくて楽しかったです。

シャーロック・ホームズ賞を巡る事件ですが、甲野乙骨が、格好いいよねぇ。
あと、ダーティペアのケイちゃんは、結婚したんだとビックリした。

猫目石

栗本 薫VS伊集院 大介。
といっても、そんなに戦っている訳ではなくて、はじめっから大介は薫くんのサポートにまわっている感じです。

これも、読んだことあるはずなんですが、ラスト以外はまったく覚えていませんでしたねぇ。
でも、この「伊集院大介はまちがっていた。」というラストは強烈で、めちゃくちゃ覚えていました。
そして、このラストだけで、後世に残っていい名作だと、読んだときには思ったのでした。
あいかわらずミステリーに向いていないわたしの脳みそは、あれ、なんで薫くん、一条に襲われたんだっけ?とか、すでに、記憶障害を起こしていますが。

で、今回、ラストも知った上で読んで、ちょっとゾッとしたのは、日美子の予言って、けっこう当たっていますよねぇ。ものすごい悪意をいれこんでいたのね、栗本 薫。

怒りをこめてふりかえれ

「猫目石」後の栗本 薫。
これ、なんでかラストシーンだけしっていたのですが、こういう話だったのか。

薫くんの話すときの一人称が「おれ」になっていたり、けっこう気の弱い女の子に手を上げていたりして、ちょっと薫くんというキャラクターに、違和感が……。
まあ、薫くんも、年をとったということなんでしょうけどねぇ。

あと、けっこう中盤まで殺人事件もなにも起こらなくて、これはもしかして、推理小説じゃないのかもしれないと思ったりしました。ラストに伊集院大介が出てくるのはしっていたけど、まあ、友情出演的なものかなぁと思っていました。

えーと、途中、犯人側に女の影が見えるのですが、「あれ、女ってこの話に出て来たっけ?」と、みごと欺されました。というか、まったく、記憶に残っていなかったよ、その人状態でした。

これで、長編での栗本 薫の物語は、完結したかんじなのかなぁ。

公園通り探偵団

これ読んだことあると思っていたら、新潮社からでている「十二ヶ月」の1作ですね。
こういう、オーソドックスな短編を書かせると、栗本 薫は、絶品だと思います。
長編は、特にハードボイルドは、ラストがいまいちなのが多いからねぇ。

ぼくらの事情

ヤスとは出会ってるけど、信とは出会ってないよね?

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栗本薫・中島梓傑作電子全集1 伊集院大介1

消えたので、書き直し感想です。
これも、1作品ずつ、けっこう詳しく感想を書いていた記憶があるので、消えてしまって、ちょっと辛い。

アレクサにキンドル読んでもらって車の中で聞いています。栗本 薫の傑作全集。
「魔界水滸伝」と「グイン・サーガ」という、二大タイトルは、入っていません。

第1巻は、伊集院大介シリーズを集めたものです。

絃の聖域

伊集院 大介、登場。
読んだことあるはずなのですが、けっこうというか、全然覚えていないです。

かろうじて、少年2人は、なんとなく覚えている感じかなぁ。大人の方は、もう、びっくりするぐらいに誰のことも覚えていなかったです。今読むと、パパなんか、かっこいいと思うんですけどね。

なんか、伊集院 大介って、ボーッとしているとかかれている割には、ちょっと偉そうという印象があります。でも、この本ではそうでもないなぁと思って読み進んでいったら、その「偉そう」を印象づけるシーンがラストにでてきて、あぁ、ストーリーはまったく覚えていないのに、この印象だけは残っていたのかと納得しました。
それは、人間国宝の元奥さんに会いに行くところと、人間国宝と最後にしゃべるところですね。
まあ、あきらかに、自分が他の人間には見えないことが見える人間だと思っている。うーん、わたしにコンプレックスがあるから、驕っているように見えるだけで、本人にとっては、「見える」ではなくて「見えてしまう」で、呪いなのかもしれないけれど。
いや、それでも、ラストは達観しすぎで大介偉そうやなぁと思います。

まあ、今読んでおもしろいとおもったのは、それぞれの生きている層によって、「芸」のとらえ方が違うというところ。人間国宝の芸が最高と思うものもいれば、パパ天才って、思っている人もいる。そして、多分、栗本 薫は、その中で、どれが正解であるかは書いていない。正解があるとも思っていない。でも、その「正解」に向けて、芸を追い求めて狂っていくみたいなところがかいてあるなぁと。
そして、そんなもん、子どものときに読んでもわかるわけないやん、と思った。

優しい密室

これも、読んだはずだけど、まったく覚えていないです。
そして、覚えていないにもかかわらず、自分の女子高のイメージって、ほぼ、この小説からきているんだということが判明しました。てっきり、氷室 冴子だと思っていた。いや、もしかしたら、氷室 冴子を読んだら、「これこそ、わたしの女子高のイメージだ」って、言ってるかもしれないれけど。

栗本 薫の分身の1人、森 カオル登場。
この頃は、けっこう、自分を投影して書いていたのかなぁと思います。

なんか、人違いのエピソードは、ちょっと記憶にあるような。あっさり、トリックがわかったので、きっとそう。

主人公の同性に対する憧れとか、そういう、今読むとけっこう生々しい感情とか、ストーリーが、まったく残っていないのは、やっぱり、読んだ当時は、まったくそこは琴線にふれなかったというか理解できなかったんだろうなぁと思います。

あと、この時点で、けっこう名探偵として警察の中ではそれなりに有名な感じですが、「絃の聖域」は、時系列的には、この後の事件で、「優しい密室」の事件の前に、別の事件を手がけて有名になっているということでいいのかな。

鬼面の研究

これも、まったく覚えていないなぁ。
大人相手だと、余計に伊集院 大介って容赦なく、傲慢な感じがします。

ちょっと、民族学的なところとか、きっと昔だって好きなはずだったんですが、まあ、印象は強くないですね。

伊集院大介の冒険

短編集。

短編だと、よけいに「オレ賢いねん」オーラが強い気がします。
それは、伊集院 大介自身が、どんどん名探偵として成長しているからかもしれません。

伊集院大介の私生活

短編集、第2弾。

題名が全部、「伊集院大介の」からはじまるところがちょっと面白い。
そして、あれ、「伊集院大介の」が、つかない題名の話がいつの間にか始まっていると思ったら、次の短編集に移っていたという。

結局、伊集院 大介という人に、あんまり興味がないので、それぞれの話はおもしろいと感じるのもあるけれど、印象に残らないです。

伊集院大介の新冒険

「ピクニック」が、面白い。というか、こういう追憶のお話に弱いんだなぁと思います。
まあ、真実が嘘よりも人を癒やすかどうかというと、そこは、ちょっとうなずけないけれど。