大阪ハムレット1
森下裕美は、「少年アシベ」や、「ここだけのふたり」のように、毒を薄めて一般ウケするマンガがかける人です。もちろん、そのなかで、「そうとしか生きられない人間」をいれていくことで、オブラートに包みながら、いろんなメッセージを込めていく。
でも、それは伝わりにくい部分もあったのかもしれません。でも、いろんな人に読んでもらうという意味では、あのかわいらしい絵柄は、とても、武器になっていたと思います。
「大阪ハムレット」は、今まで武器にしていたもの、特に「かわいい女の子」が、使われていません。
女の子の顔をソーランアレマみたいに記号的な「美人」に描くのは、この人にとって、きっとそれほど大変なことではない。でも、あえて、今回は、そうではない絵柄を選んでいます。
なんだろう、今回の絵柄と「アシベ」の絵柄の1番の違いは……鼻があることかな?
それでも、けっして「美人」ではなくても、「魅力的」に人を描くことに成功していると思います。
以下、ネタバレありです。