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劫尽童女

最近、けっこうに気になっていた恩田 陸を読んでみました。

最近……といいつつ、「六番目の小夜子」とかは、気になっていました。多分、栗山 千明がらみで気になっていたのかも。でもだからといって、テレビドラマを見るわけでもなく、原作を読むわけでもなく、今までなんとなく縁のなかった作家さんです。

この本は、今になって思い出してみるに、なんかハードカバーのときから気になっていたのだと思います。

なんか、題名から、「新興宗教の教祖に祭り上げられた少女が……」みたいな話を勝手に想像していましたが、全然、違っていました。

外薗 昌也が解説かいてますけれども、外薗 昌也というよりは、吉田 秋生の「YASHA」とか「イブの眠り」を思い浮かべました。お互いしか理解し合うことができない孤独を持った双子とか。

そういう意味では、マンガ的で、楽しく読むことが出来ました。

けっこう、

「おぉ、そうきたか!」

というのも、あって飽きささない感じです。

ただ、もう一歩のところで微妙。特にラストとか……。ということで、これからも恩田 陸を読み続けるかは、微妙です。

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イヴの眠り5

そして、完結編です。
あんまり長くは続かなかったなぁ。でも、長く続けちゃうということは、悲劇的なことがいっぱいおきてしまうということでもあるので、これでよかったのかも。
充分に、悲劇はいっぱいおこっていますので。

たとえだれも理解することができなくても、愛することはできるし、理解することはできる。
そんなふうな結論に達したのかなぁ。

そして、セイは、救えなかったリンの魂を救えた?

シンの嫁さんは、かなりシンの仕事のことで苦労をしたみたいですが、烈については、その心配もなさそうだし、チャイニーズマフィアの未来は、明るいな。

最後、セイの姿を出すとは思っていませんでした。
わたしのイメージでは、原作の「仮面ライダー」の本郷剛みたいに、脳みそだけ残っている感じだったのですが……。
実際はどうだったのかは、コミックでお読み下さい。

あれはでも、アリサにだけ見せて、読者にはみせないという演出が美しかったのではないかと思ったりします。

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イヴの眠り4

今、5巻目を読んで、感想を書こうと調べてみたら4巻目の感想がまだでした。

5巻目で完結のこのお話ですが、4巻目は、そのつなぎみたいな感じですねぇ。ちょっと感想がかきにくくておいているうちに忘れていたようです。

表紙の絵は、すごい迫力があります。

なんで、死鬼がセイを殺せなかったのかなのですが、もしかすると、それも「孤独」が怖かったのかもと思ってしまいます。

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イヴの眠り3

ついに顔をつきあわすことになった、アリサと死鬼。
そして、お互いに惹かれる理由は、この世に自分と同じものがいないという孤独。

このあたりは、静と稟の関係を思い出させます。
ただ、やっぱり、死鬼自身にも、感情というか、心はあるように感じてしまうのは、わたしも顔に騙されているのか?

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イヴの眠り2

吉田秋生は、昔は、すごく絵柄の安定しない人で、絵はすごい上手なのですが、キャラクターが、キツネみたいな絵になったり、大友克洋みたいな絵になったりしていました。

でも、「BANANA FISH」の後半あたりから、すごく安定した絵を描くようになってそのあたりから、物語のおもしろさも、一段と増してきた気がします。1

「イヴの眠り」では、有末静の娘アリサ、そして、クローン死鬼、などがでてきているのですが、同じ顔をしながらも、しっかりと描きわけができているところがスゴイですね。
しかも、アリサは、母親であるルー・メイにも、ちゃんと似ている。

おんなじ顔の描きわけをしたマンガは、わたしが知る限りあと、成田美名子の「CIPHER」ぐらいだと思います。2

  1. もっとも、それにともなって、「河よりも長くゆるやかに」のような作品は、描かなくなったのでなくて、描けなくなったのではないかという気もして、少しさびしいですが []
  2. 余談ですが、「CIPHER」は、1巻とかでも後から読むと、どちらがロイで、どちらがジェィクかがわかるようになっています []