自虐の歌 下
上巻の途中のでは、遅々として進まなかったのに、上巻の後半から、下巻は一気読みでした。
過去は、今以上に痛かった。
そして、一定以上の痛みには、泣くことすらできなくなる自分を発見する。
笑って泣いた?
いや、どちらもしなかったよわたしは。
で、なんで、こんな過去が挿入されているのか、ずっと疑問でもあった。
この最後の逆転していく展開を読んで、はじめて、その意味が理解できました。
ある意味、作者の手のひらの上で転がされた感じです。でも、悪い感じではない。
今、現在ですら、こういう生活の中にどっぽりはまりこんでいる人はいる。
それを幸福と感じているか、不幸と感じているか、ということを超えて、人が生きていくことには、意味があるとかききった作品。
こんなところに超えていくとは思わなかったです。
たしかに、名作です。
でも、自分の中で、この物語を何度も読み返して考えることがあるのだろうか?
それは実は、疑問だったりする。
多分、この人の作品は、これ以上は読まないだろう。
業田 良家 / 竹書房(1996/06)
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