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この世でいちばん大事な「カネ」の話

西原さんが、子どものために書いた1冊。
題名は西原節ですが(そして、けっこうな数の4年生の子どもが、この本の存在を知っていました)、内容は、いたって真面目です。なかなか、手にとって読むところまではいかないだろうけど……。

西原 理恵子とか内田 春菊の本を読むと、この人たちは、苦労が日常だったんだなぁと良くわかります。そして、今だって、そういう、犯罪的な日常の中にいる子どもは、いるんだなぁと。

そして、多分、階層が違う(という書き方は、傲慢か?そういう苦労な日常がない毎日を送れているラッキーなわたしたちみたいな人間)にとっては、その生活を想像することは、なかなか出来ないのだと思います。

普段、かいているものや、今の生活を見て、批判をされたりはするんだけれど、多分それは、想像できない生活があることすら想像できないほど、柔軟性がなくなっているからかもしれないなぁ。

コレ読んでて、1番思い出したのが、「自虐の歌」でした。
あれって、確かにあった風景なんだよなぁ。

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自虐の歌 下

上巻の途中のでは、遅々として進まなかったのに、上巻の後半から、下巻は一気読みでした。

過去は、今以上に痛かった。
そして、一定以上の痛みには、泣くことすらできなくなる自分を発見する。

笑って泣いた?
いや、どちらもしなかったよわたしは。 

で、なんで、こんな過去が挿入されているのか、ずっと疑問でもあった。
この最後の逆転していく展開を読んで、はじめて、その意味が理解できました。

ある意味、作者の手のひらの上で転がされた感じです。でも、悪い感じではない。

今、現在ですら、こういう生活の中にどっぽりはまりこんでいる人はいる。
それを幸福と感じているか、不幸と感じているか、ということを超えて、人が生きていくことには、意味があるとかききった作品。

こんなところに超えていくとは思わなかったです。

たしかに、名作です。

でも、自分の中で、この物語を何度も読み返して考えることがあるのだろうか?
それは実は、疑問だったりする。

多分、この人の作品は、これ以上は読まないだろう。

自虐の詩(下)

業田 良家 / 竹書房(1996/06)


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自虐の歌 上

なんじゃこりゃ。

まあ、いろんなところから名作とのオススメがあり読んでみましたが、すごく抵抗があって、前半は、遅々として進みませんでした。

ウチの人、乱暴者だけど、酒乱だけど、ちょっとはいいところもあるんですよ……。

吐き気がする。
こんなの愛でも、優しさでも、なんでもないと思う。

これを「本当の愛」とか、「純な優しさ」なんて言葉で、語ろうとする人間がいたら、それにも、吐き気がする。

クスリと笑う以前に、痛みだけが伝わってくるんですけど。

でも、人間にとって、だれからに「必要とされる」ことは、こんなにも大きいことなのかもしれない。
必要が、サイフとしてだけだとしても。

自虐の詩(上)

業田 良家 / 竹書房(1996/06)