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電波男

読む前に想像していた以上に、おもしろかったです。

前半は、

「ようわかる話やないか」

てな感じ、読んでました。
まぁ、男でも、女でも、見てくれで判断されるというのは、良くある話です。そして、自分だって、そうだろうと。
そこに、ずーーっと、こだわって考えていく根性(?)ってのは、素直にすごいです。
同じよーなことを考えていても、ここまで突き詰めて考え続けることはしなかったし。この本なりの結論はでているけれど、多分、この人、まだ考え続けているし。
どう考えたって、こわい結論にしかならないので、普通は、考えるのを拒否します。

でも、この本、業田 良家の「自虐の詩」と同じ様に、最後に価値観を逆転させる構造をもってかかれていて、そのひっくりかえ方が、見事でした。

ただ、無駄に熱いだけでなくて、お見事。

えーと、それでもねぇ、この人が自分のことを語るとき、全部を全部、鵜呑みにしてはいけないですよ。多分、物語は、真実よりも優先されています。嘘は、書かれて無いとしても。
だって、「悟った」と言いながら(言ったっけ?)、やっぱり、もてたい気持ちは、捨て切れていないですから。
というか、この文章書く人間が、まったくもてないわけがないと思ったりします。

今、ダイエットのために、夕食後、Wii Fitで30分歩いていて、その間、退屈なのでねぇさんに、「To Hesrt」というテレビゲームをプレイしてもらっています。
これは、「電波男」でも、言及されている伝説の恋愛ゲームで、わたしは、PC版にはけっこうはまってプレーした記憶があります。その後、プレステで出たゲームを購入したのですが、テレビゲームから離れていってしまって、捨てられないまま忘れ去られていたゲームでした。

で、まあ、ゲームといっても、選択肢がある恋愛小説みたいなものなんですが、やっていると、当時の気持ちを思い出したりします。
やっぱり、マルチではだだ泣きして(笑)、智子ちゃんではドキドキして、あかりや先輩にはホッとして、志保と琴音は嫌いだなぁ(爆)とか……。

「もえ」の時代からは、なぜかちょっと取り残されて、わかんないわたしですが1

現実の世界で恋愛できない人間でも、もしかすると(もしかしなくても)、何かを愛することは、生きていく上で必要なのかもしれない。
そして、愛し続けるには、やっぱり、何かの見返りが(少なくともその対象から傷つけ続けられないことが)必要なんだと思います。
まあもちろん、あまりにもはやく現実をあきらめすぎだろうとか批判はあるのですが、そんなのはやいかおそいかは、結局、本人にしかわからないしねぇ。

そうすると、脳内で恋愛するのは、正しいことまではいえなくても、もしかすると、その人が生きていく上で必要なことなのかもしれないと思ったりします。

とすると、ねねさんと結婚式した男の人だって、ちょっと、今までと違う目で見る自分がいたりする。

「下流社会」読んだときとは、真逆の結論に至りそうだな。

本田 透本人が書いているとおり、この世界は、ある意味、洗脳の仕合でなりたっているので、もちろん、この本の主張だって、そんな洗脳の1つにすぎないのです。

最終的には、どんな社会が、自分にとって生きやすいかということ。それに向かって、まあ努力していくことが、大切なんだと思います。

あと、やおいを異様に嫌っていますが、やおいとロリコンって、性別が違うだけで同じ人種だと思うのですが……。どうなんだろう。
まぁ、もしかすると、「もえ」対「やおい」「ロリコン」っていう、対立も、このなかに含まれているのかな?

  1. 「めぞく一刻」の五代くんの双子の子どもが、萌、茗っていう名前で、いい名前だなぁと思った記憶はあります。「もぇ~」とかいわれはじめたのは、その後だと理解しています。 []

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自虐の歌 下

上巻の途中のでは、遅々として進まなかったのに、上巻の後半から、下巻は一気読みでした。

過去は、今以上に痛かった。
そして、一定以上の痛みには、泣くことすらできなくなる自分を発見する。

笑って泣いた?
いや、どちらもしなかったよわたしは。 

で、なんで、こんな過去が挿入されているのか、ずっと疑問でもあった。
この最後の逆転していく展開を読んで、はじめて、その意味が理解できました。

ある意味、作者の手のひらの上で転がされた感じです。でも、悪い感じではない。

今、現在ですら、こういう生活の中にどっぽりはまりこんでいる人はいる。
それを幸福と感じているか、不幸と感じているか、ということを超えて、人が生きていくことには、意味があるとかききった作品。

こんなところに超えていくとは思わなかったです。

たしかに、名作です。

でも、自分の中で、この物語を何度も読み返して考えることがあるのだろうか?
それは実は、疑問だったりする。

多分、この人の作品は、これ以上は読まないだろう。

自虐の詩(下)

業田 良家 / 竹書房(1996/06)


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自虐の歌 上

なんじゃこりゃ。

まあ、いろんなところから名作とのオススメがあり読んでみましたが、すごく抵抗があって、前半は、遅々として進みませんでした。

ウチの人、乱暴者だけど、酒乱だけど、ちょっとはいいところもあるんですよ……。

吐き気がする。
こんなの愛でも、優しさでも、なんでもないと思う。

これを「本当の愛」とか、「純な優しさ」なんて言葉で、語ろうとする人間がいたら、それにも、吐き気がする。

クスリと笑う以前に、痛みだけが伝わってくるんですけど。

でも、人間にとって、だれからに「必要とされる」ことは、こんなにも大きいことなのかもしれない。
必要が、サイフとしてだけだとしても。

自虐の詩(上)

業田 良家 / 竹書房(1996/06)