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三体2 黒暗森林 下

ジェットコースターのように、お話が二転三転している下巻でした。
すげー。

最後はもちろん、蟻で終わるとは思っていたのですが、まさか、そのシーンでおこることが、こんなことだとは思いませんでした。
そして、第一部のあのキャラクターまで、最後の最後に出てくるとは。

車に乗るたびに、アレクサに読んでもらっていたて、てこねぇさんも飛ばし飛ばしで聞いたりしていたのですが、それでも、けっこうおもしろかったみたいです。
この部分もおもしろいし、全体でもおもしろいというのは、なかなか圧倒的だったなぁと。

わたしがおまえを滅ぼすとして、それがおまえとなんの関係がある?

とか、名言も多かった。

第1部は奥に謎があっておさえられていてなかなか、文学的な感じでした。
それが、第2部でいっきにエンターテイメントになった感じです。
なんだろう、映画の「エイリアン」見てから「エイリアン2」を見たようなスピード感があります。
もう1こ思い浮かべたのは、筒井康隆の「家族八景」と「七瀬ふたたび」。これも、1部は文学的で、2部はものすごくエンタメによっていて、どっちも傑作です。

うーん、「三体3」は、三体世界と人類の猜疑連鎖をさらにかくのか、それとも、さらに広い宇宙に広がっていくのか、すごい楽しみな感じです。

劉 慈欣,
大森 望,立原 透耶,上原 かおり,泊 功
早川書房
発売日 : 2020-06-18

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三体2 黒暗森林 上

「三体」は、何が起こっているのか、その背景にある謎はなにかを解き明かしていく物語でした。
めっちゃ、大きな目を奪われる仕掛けがあって、その仕掛けの意味を探っていく感じ、そこにさらに、リアルな中国の近代史が載っかっていて、まさにジェットコースターの様です。

で、1部でのほとんどの謎が解けた第2部。
明確にされた「敵」。あまりにも強大すぎる敵に、真っ正面から人類が戦いを挑みます。雰囲気も、一転。今度は、頭脳戦。

敵は、智子によって人類の全ての会話、情報を読み取っている。それに対抗できるのは、個人の心の中のにある「作戦」のみ。
今まで、人類が力をあわせて、叡智を結集してみたいな話は聞いたことがあるし、まあ、それでも、人間の知恵ではかなわなくて偶然が…みたいなオチになりがちでしたが。
個人対超絶宇宙人!!
この発想が凄い。そんなん、勝てるの?

選ばれたのは、3人の面壁者。彼らだけが、この戦いに勝つ希望。
この3人の仕事は、詐欺師。人類全てすら欺して、敵も欺すという。

途中、「銀河英雄伝説」とか、「ファウンデーション」とかへの言及もあって、なんか、マニア的にも(というほどデーブでなく程よい)、満足な1冊でした。

さて、人類は、この戦いにどうやって勝つのか?
三部作の真ん中ということで、このお話では決着つかない感じかな。

まあでも、良い感じで史強とか、未来に送ってるしと期待しています。

劉 慈欣,
大森 望,立原 透耶,上原 かおり,泊 功
早川書房
発売日 : 2020-06-18

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チャールズ・ウォードの系譜 クトゥルー・ミュトス・ファイルズ6

短編集。今回のテーマは、魔術。

オマージュ元である「チャールズ・ウォードの事件」自体、それほどクトゥルー神話らしさがあるわけではないので、それぞれの物語も、ものすごくクトゥルー神話っぽい感じはしないかも。まあ、匂わす遊びがクトゥルー神話的だとすると、クトゥルー神話っぽいか?

魔術師は、ちょっとしたヒーロー的な側面もあって、それぞれ、おもしろかったです。

「ダッチ・シュルツの奇妙な事件」は、朝松 健らしい、歴史と絡んだお話です。ちょっと、ハードボイルドで格好いい。

「青の血脈」は、今回の3つの物語のうちで、1番好みです。基本やっぱり、自分がホラーよりも、ヒーローものが好きなんだなぁとよくわかります。

「妖術の螺旋」は、1番ホラーっぽい感じて漉かねぇ。まあそれでも、ラストにヒーローでてきて、ちょっと笑ってしまった。まあ、好きですけどねぇ。日本的だなぁ。