頭脳戦

上原かおり,劉慈欣,大森望,泊功,立原透耶,読書

三体2 黒暗森林 上

「三体」は、何が起こっているのか、その背景にある謎はなにかを解き明かしていく物語でした。
めっちゃ、大きな目を奪われる仕掛けがあって、その仕掛けの意味を探っていく感じ、そこにさらに、リアルな中国の近代史が載っかっていて、まさにジェットコースターの様です。

で、1部でのほとんどの謎が解けた第2部。
明確にされた「敵」。あまりにも強大すぎる敵に、真っ正面から人類が戦いを挑みます。雰囲気も、一転。今度は、頭脳戦。

敵は、智子によって人類の全ての会話、情報を読み取っている。それに対抗できるのは、個人の心の中のにある「作戦」のみ。
今まで、人類が力をあわせて、叡智を結集してみたいな話は聞いたことがあるし、まあ、それでも、人間の知恵ではかなわなくて偶然が…みたいなオチになりがちでしたが。
個人対超絶宇宙人!!
この発想が凄い。そんなん、勝てるの?

選ばれたのは、3人の面壁者。彼らだけが、この戦いに勝つ希望。
この3人の仕事は、詐欺師。人類全てすら欺して、敵も欺すという。

途中、「銀河英雄伝説」とか、「ファウンデーション」とかへの言及もあって、なんか、マニア的にも(というほどデーブでなく程よい)、満足な1冊でした。

さて、人類は、この戦いにどうやって勝つのか?
三部作の真ん中ということで、このお話では決着つかない感じかな。

まあでも、良い感じで史強とか、未来に送ってるしと期待しています。

劉 慈欣,
大森 望,立原 透耶,上原 かおり,泊 功
早川書房
発売日 : 2020-06-18