封神演義10 完全版
中国の物語って、「西遊記」にしろ、この原作の「封神演技」にしろ、スタートが面白くて、後半はなんかだれている感じが……。
風呂敷を広げているときはいいのだけど、広げた風呂敷をうまくたためないというか……。人を削ったマンガですら、「誰、この突然キャラ」みたいな感じになるので、なかなかに、難しいです。
いろいろ伏線をはるのは、藤崎竜、それなりにがんばっているなぁと、読み返して思います。
マンガ評論と対談集みたいな本です。
実は、このなかのマンガ、半分以上しらないかも。
作者の島田一志は、どうやら、マンガの編集のお仕事をしておられる様子です。
で、マンガが好きなことが、よく伝わってきます。
好きなマンガで、情熱を込めた仕事をする。
それだけで、簡単に、傑作が生まれるわけではないけれど、やっぱり、そういう情熱は大切だなぁと思います。
目がつぶれるほど……。
完璧主義者なんだなぁと思います。
オール・オア・ナッシングなんですね。
自分でそれはいけないと思いつつも……。
多分、以前と同じギャグでも、ちょっとみたくれをかえたりとかはすぐに出来ると思います。それ以上に、同じギャグでも、きっとそれを心地よいと思う読者は、「お約束」として受け入れるだろうし、そのなかで少しずつ練っていってもいい。また、同じ人間が見ているかどうかもわからないのだから、いろんな場所で、同じギャグをやるのは、決して間違えではないと思います。
でも、それが許せないようなんですねぇ。
「ポロン」とか、「ななこ」とかの文庫で書き下ろしがあったので、そういう状態からは抜け出しているのかと思っていましたが、そうではなかったようです。
それを見せないあたりは、すごいなぁ。
この天才が、そうやってくるしみながら、それでも生きて、マンガにしがみついてくれているのは、やっぱりファンとしてとてもうれしいです。
でも、「失踪日記」が売れたとたん、手のひら返すマスコミ。
今、前以上に鬱になっていないといいのですが……。
あと、ミャアちゃんが出てくると、なぜか、わたしは、この子にだけ、
「あ、ミャアちゃんだ!!」
と反応してしまうことに気がつきました。
「スクラップ学園」、再販されないかなぁ……。
少女マンガは、少年マンガに比べると読むのに力がいるので、ゆっくりとしかすすみませんが、コレ、名作かもしれない…。
というか、もう、名作と認められている作品なんですね。わたしが知らなかっただけで。世の中には、まだまだ、わたしがしらないおもしろい作品が眠っているようです。
それぞれに、いろいろと抱えていることがあって、そしてむ、それを知らないながらも、一緒にいて心を許せる空間と時間があって。
これって、なにも、若者だけではなくって、どんな年代の人間でも、欲しいと思っているものではないかと思います。
森田さんは、自分の恋に気づいていないようだし。はぐちゃんは、やっと、人と関わり合うことができるようになってきたところ。
お互いのことを知っていても、知らなくても、(過度にではなく自然に)気遣いあって生きていくということは、できそうな気がします。
そして、ところどころ、重くならないように、爆笑させてくれます。
でも、生活って、そんなもんだよなぁ。深刻ぶっている時間よりも、笑っている時間の方が、多い方がいいです。