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狼の世界 ウルフランド

平井 和正のエッセイというか読者との交流(?)を書いた「ウルフランド」です。

読みながらというか、アレクサに読んでもらっているのを聞きながら思ったのは、まあ、こんなことしてたら小説書けん様になるわでした。

特に、「狼のレクイエム」の第2部の改訂版。こんなもの、作者がお話を想像しただけでも、続きかけなくなるのは当たり前だと、今のわたしの年だとわかります。
それをご丁寧にカタチにしてしまっているという。
以前、読んだときには、爆笑して、そして、「コレもいいじゃないか」とか思っていましたが……。
「ハッピーエンドは物語の死」で、ここで殺しちゃったら、「狼のレクイエム」の第3部っていうのは、あんな風にいつまでたってもかかれない状態で放置され続けたのだと思います。
死だものをもう1回産み直すんだから、そら難産になりますわな。

でも、やらずにはいられない。それが、平井 和正。真面目で半分狂気の人だったのだなぁと。

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傷だらけの店長 街の本屋24時

本屋さんエッセイのなかでも、かなりつらいお話だと思います。
本好きなので、本に囲まれて幸せ的なエッセイが多いジャンルだと思うし、今まで読んできたのは、そういうのが多かった。
大変だけど、本屋やりたいなぁという感じです。
まあ、この本だってそういう側面がないわけではないけれど、置かれている状況のリアルなキツさが伝わってくる。

うーん、店長といいつつ、チェーン店の雇われ店長で、自分の店を持っていないというのが、1番つらいところかなぁと読みながら感じていました。

まあ、完全に個人経営の「自分の店」が、今、成り立つのかというと、難しいものはあるのですけどねぇ。
膳所駅前の「あゆみ書店」も、浜大津駅近くの「浜書房」もなくなっちゃいました。
ある程度のストックできるだけの広さがないと無理だしなぁ。

本屋が好きなぼくたちでも、ネット通販の便利さには逆らえない。

そうして、どんどん、この世界から本屋が減っていくのは、とっても悲しいことではあります。

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トラウマ映画館

映画に関する個人的な思いでみたいな感じがおもしろいです。
なにかを吸収していく時期というのは、名作とか、駄作とか、そういうこと関係なしに、なんでも取り入れる時期なんだなぁ思いました。

もしここで、「これは評価が高い」とか、「これは世間的に駄作」とか、そういうフィルターがかかっていたら、多分、今の作者はないのかも。

だから、今までのエッセイ以上に、作者の生の声がはいっている感じがしました。

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ゴールド-黄金-

不思議な文庫本で、第一部は短編小説、第二部、第三部はエッセイ集。
ハヤカワ文庫のアシモフだから、大丈夫だろうと買わずに少しほっておいたら、なんか、あっという間に絶版になっていて、ビックリした。多分、この次に出たアシモフの初期短編集が出た頃には絶版になってゐのでは。創元文庫のアシモフも、結構、絶版になったしなぁ。「聖者の行進」とかは、もう読めないのでは。けっこう、あわててこの本は、古本屋さんでかったような記憶があります。

オールタムで廃れない作家だと思い込んでいましたが、死んじゃった後は、やっぱりちょっとさびしい感じになりましたね。ロボットものの長編なんかは、新版がでてますけど、自伝とかもいっこうに文庫になりません。
アシモフって、なに読んでもオールタイムにおもしろい作家だと思うのですが。
ときどき、無性に読みたくなるのです。全集が出て欲しい作家さんです。

まあ、絶版については、昔よりも早く本がなくなると感じているのですが、実は、そんなことはないのかもとも思っています。
子ども時代の方が、時間の流れがゆっくりなので、ずっと同じ本が書店の本棚にあったような気になっているだけで、実は、同じぐらいの流れなのかもしれません。

めちゃくちゃおもしろいというわけではないけれど、安定してクスッとしたり他では得られない安心感があります。

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薔薇はシュラバで生まれる 70年代少女漫画アシスタント奮闘記

最初に、宣伝だか紹介を見た瞬間から、これは買わねばと思っていた1冊です。

少女マンガが変化していったあの時代が肌で感じる。それだけでも、貴重な資料だと思います。
1人のマンガ家さんに、ずっと付き添っていたという感じではないので、伝記的な興味は満たせないのですが、やっぱり空気がわかるというのは、楽しいです。そして、それがそのまま青春の記録でもある。

シュラバという言葉、わたしもよく使いますが、あぁ、そういえば、こっからきてるのかなぁと思いました。たしかに、当時の少女マンガ家のエッセイには、そんな風に使われていて、あきらかにそれに影響をうけているのだろうなぁ。