斎藤環,読書きら,ちくま文庫,セーラームーン,ラー,戦闘美少女の精神分析,筑摩書房

戦闘美少女の精神分析

本人は、「萌え」もわからない、おたくとしてのメンタリティを持っていない人だそうです。

………。

嘘つけ(爆)

きっかけは、ヘンリー・ダーガーとかいっていますが、多分、セーラームーンあたりが気になっていたのではないかと。それで、ダーガーを知って「おー、芸術!」てな感じで、やっと、安心して語り出せたのではないかと。
この人って、今の地位や信頼をうしないたくない、そういう隠れおたくな感じがします。

ダーガーの話は、それなりに熱がはいっていておもしろいです。だから、ダーガーが好きなのは、多分、本当のことなのだと思います。が、それ以外の作品分析は、けっこう、いい加減だぞ。

まず、いろいろな人の説や考えをもってくるのですが、自分の感性に近くないものは、バッサリ感情で切り捨てています(笑)そのときのセリフが、

「わたしの専門的な経験からいえば……」

「わたしの感じた印象からいえば……」

みたいな感じの切り方です。
オイオイ、きみの感性は、そこまでシャープなのか(笑)

あと、解説でもつっこまれていますが、戦闘美少女を「日本的なもの」と位置づけながら、その存在を精神分析的に定義するというのは、あきらかに矛盾しています。

でも、「謎本」とか、「空想科学」たいな見方よりは、好きな見方ではあります。
戦闘美少女を語ることが、「自分語り」になっていくようなスタンスになってくれば、楽しいかも。

なにかを語りたいと思うとき、「好き」でも、「嫌い」でも、その対象になんらかの思いをこめているはずで、自分で選択して語りはじめた時点で、対象に対して冷静でなんかいられません。

だから、熱く語った、熱い文章が読みたいですね。

島尾敏雄,読書ちくま日本文学全集,島尾敏雄,戦争,文学,日本文学,筑摩書房

島尾敏雄 ちくま日本文学全集32

全然、知らない人です。

内容は、荷風よりは楽しかった…というか、読めた。

物語の1番底にあるのは、自分は特攻隊員で、死を覚悟していた。でも、ある日急に戦争が終わって、特攻に行けなかった。戦争で死ぬことが出来なかったという喪失感みたいな感じです。

それはそれで、「いいこと」なんだけど、うまく受け入れられないみたいな。

うーん、日本のロスト・ジェネレーション?

とかいいつつ、ヘミングウェイほど、盛り上がりもないし、乾いてもいないです。

読書,赤木かん子こちら本の探偵です,ちくま文庫,筑摩書房,赤木 かん子

こちら本の探偵です

いやあ、こんな生活、うらやましいなぁと思います。
しかし、偏っててもいいから、ここまでの知識が自分にあるかというと……まず絶対にないですねぇ。

しかし、もう絶版になってしまった本とかはしかたないと思うのですが、図書館に本があって、みんながそれを利用すると、結果的に本の寿命を縮めてしまうことになると思うので、そのあたり、わたしは、図書館の利用(特に大人の図書館の利用)には、ちょっと微妙なスタンスです。
ちゃんと、使用料を取って、著者や、出版社に還元される仕組みをある程度つくるべきだと思っています。

まぁ、この人の場合、買っている量も半端でなさそうではあるのですが……。

ところで、赤木かん子さんは、どうやって喰っているのだろう?
執筆だけで、やっていけるのでしょうか?探偵業が、それほど儲かっているとも思えませんが……。

ただ、これは、この人の「天職」という感じだなぁと思いました。

永井荷風,読書ちくま日本文学全集,エッセイ,島尾 敏雄,文学,日本文学,柳田 國男,永井 荷風,筑摩書房

永井荷風 ちくま日本文学全集31

文庫サイズの日本文学全集です。
多分、購入していたのは、大学時代ぐらいでは……。42巻まで購入して30巻ぐらいまで読んでいたのですが、中断していました。

で、この永井荷風が、31巻目です。

そして、思い出しました。なんで、これ、30巻から後が読めていないのかが……。

この31巻が、おもしろくなかったんですね。
まあ、それなら、別に続き物でもなんでもないんだから、飛ばして読めばいいのだけど、なんか、そのままなんとなく読まなくなっていた。

えーと、今読んでも、おもしろくないです。
特に、日記とエッセイ。

まあ、小説は、読めなくはないですが、日記はもう、なんか、苦痛で苦痛で(笑)とばし読みしました。

なんか、ウンチクを語るんですが、そのウンチクの語り口が、うさんくさい。
その時、その時の流行に合わせて、もてたいからウンチクを考えている人っているじゃないですか。そういう人間が語っているウンチクにわたしは聞こえてしまいます。

うーん。
32巻は、島尾 敏雄。荷風以上に、名前も聞いたことないな。その次は、柳田 國男なので、ちょっと癒やされるかも。

といいつつ、ちょっとショックで、またこのあと眠ってしまいそうなシリーズであった。
今は、もう続きも、売ってなさそうだしねぇ。

井狩春男,読書ちくま文庫,井狩 春男,本屋通いのビタミン剤,筑摩書房

本屋通いのビタミン剤

すごく楽しいのですが、どっか、「商売」の視点が入ってくると、????です。

なんだろう。内容がよくても、表紙や題名が悪かったら売れないなんてはなしは、なっとくできる。
でも、これは、「表紙がいい」、「題名がいい」といわれると、ちょっと、「内容は?」といいたくなってしまうのかも。

まあ、その表紙や、題名に、魅力を感じで商品をプッシュしているということかもしれませんが。

このあたりは、やっぱり、趣味の本好きと、職業との違いなんだろうなぁと思います。

ほとんどの本が、3カ月ぐらいで消えていく商品であるということは、なんとかならないのかなぁ……。