中野重治 ちくま日本文学全集39
中野 重治は、知りません。
転向したプロレタリア文学者のようですね。はじめの方に載っている作品は、プロレタリア文学特有の臭いがあって、わたしにとっては、おもしろくないです。
おもしろさが理解できないのです。プロレタリア文学。
まあ、後の方の「国語と方言」とか、「ハイネの橋」とかは、悪くないですけど。
なんか、イマイチでした。
あぁ、あの反体制とかいいながら、多数決すると勝つ人たちですね……。あんまり、いい印象はないのですが。
でも、かわぐち かいじは好きです。ただし、わたしは、2代目しかしらないのだな。
目の話とかは、ものすごい印象的な話です。
名著「戦後少女マンガ史」の姉妹編。
でも、こっちの方が著者の思い入れは強くて、資料としては若干暴走しています(笑)
まあ、その方が、読んでいる方はおもしろいです。
いや、そこ断定していいのかと思ったりしますが。
わたしも、いろいろ名作を後から読んでいますが、時代の空気みたいなものは、わからないものです。だから、こういう本は、とっても貴重です。
最終的な結論のもっていきたかに、この人のうまさを見たような気がします。
あぁ、「貴族のつとめ」というのは、こういう意味だったのかとか、目を開かせてもらった部分も多少あります。
でも、わたしは、今の世の中、「情報」の過多によりって、階級の差は生み出されるような気がします。もちろん、金を出して買えるものは、階層の差であって階級の差ではないという理屈に従えば、それは、階層の差でしかないのかもしれませんが……。
でも、情報の過多や取り込み方って、価値観も変えてしまうような気がちょっとする。