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かのこちゃんとマドレーヌ夫人

これは、なんだろう。愛の奇跡についてのお話……でもないな~。

読み始めは、今まで読んだ万城目 学ぶのなかでは、おとなしい方で、パワー不足かなぁと思っていたのですが、最終章の疾走感とかっこよさは、格別でした。

猫たちは、集会でこんな話をしてたのか。
いつか、その輪に入って、こんな冒険譚を直接聞いてみたいものです。

よかったです。

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林芙美子 ちくま日本文学45

この人も、知らない人です。
まあ、教科書には、載らないような色っぽい話が、多かったかな。いうほど、色っぽくはないか?でも、ドロドロな肉体関係。だけど、どこか達観したようなところがあります。

なんていうか、叫ばないリアルみたいな感じ。
そうだよね、人って悩んでいるときに叫んだりしない。一人でグズグズと悩むもんだ。

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梅崎春生 ちくま日本文学44

けっこう、おもしろくて読みやすかったです。
この人も、まったく聞いたことがない人でしたが。とぼけた感じが、おもしろい。基本、知らない(有名じゃない)人って、おもしろくないんだろうと思っていましたが、なかなか、そうでもないですね。1

なんか実は深刻なことを書いている気がしますが、そんな気にさせない。でも、残るものはあるよみたいな感じの読後感がいいです。

  1. わたしが知らないだけで、有名な人かも……。 []

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とりあえず分かる!世界の紛争地図

一昨年に、「せかいいち うつくしい ほくの村」を読んでから、いろいろアフガニスタンなどの紛争地域が「なんで戦争をしているのか」が気になって、読んでみた本です。
わかりやすく、そして、やりきれない気分にさせてくれます。

それでも、この作者の人の不思議な楽観主義は、素晴らしいと思った。
ここまで、ひどい現実を知り、それでも、楽観主義手いられるのは、もちろん、自分が実際にその痛みを感じていないからかもしれないのですが、それでも、それが救いになる部分もあるのでは?

やっぱり、同じ常識を生きていない人間同士が、理解し合うのは、難しいのだけれど……。
強盗が日常茶飯事の国と、鍵をかけなくてもいい国の人間では、やっぱり、対立は起きてくるだろうし……。どっちかにあわせろって無理があるよなぁ……。

でも、最後にドイツでちょっと希望を見せて終わる話の進め方も、よかったです。

そして、アメリカ、世界を引っかき回しています。

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よいこの君主論

「ニタリと汚い笑顔を浮かべて…」というのが、良かったです。
笑いのツボとして。

まあでも、こういう闘争は、まったく子どもたちは意識していないけれど、無意識な水面下では、実際にはげしくおこなわれているものだと思います。
別にそれは、子どもだけに限ったことではなくて、会社とか、あらゆる組織において。やっている本人が気づいていないこともあるし、意識してやっていることもあるんだろうなぁ。

で、君主というか、ちゃんとしたリーダーがいると、確かに、まとまってみんな楽しく過ごせるものです。いなくても、過ごせる場合もあるのだけれど、それはだれかがきっと、ムードメーカーになっていて、きっとその人が潜在的な君主なんだと思います。

だからこれ、実は、子どもが読むよりは、教師が読むべきかもしれないと思います。

ニタリと汚い笑顔を浮かべる教師は……ちょっとイヤかもしれんけど。
でも、そういう戦略というか、長期的な視点は必要ということで。

あぁ、ビジネス書のマキャベリって、そんな感じで読まれているのかな?
まあそうすると、笑いは少なくなるけどね。