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元祖大四畳半大物語6 松本零士 BEST SELECTIONS

完結です。
といいつつ、いつものパターンで、今でも、足立は、自分の無限の可能性を信じて、大四畳半に生息しているのでした。
そして、はじめようと思えば、いつでも物語は始まる。
それどころか、もう、始まっていて、続いている。

たぶん、この世界から、若者という種族がいなくなるまで永遠に……。

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元祖大四畳半大物語5 松本零士 BEST SELECTIONS

おこりっぽくて、おいどんほど人畜無害ではないですよね。

人と人とのつながりは、今この時代よりも、あきらかに濃厚です。そして、今よりも緩やかに人と繋がっていくが故の孤独。
でもそれも、完全な孤独よりは良いのだと思います。
そういう意味では、まだ東京も優しかった頃のお話です。

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元祖大四畳半大物語4 松本零士 BEST SELECTIONS

基本的に、自業自得な部分もあります。おこりっほいしな。
ミスも、確かに多いです。彼がうまくいかのは、世の中が世知辛いだけではけっしてない。

その他人の所為に出来ないやりきれなさが、このマンガのいいところというか、リアルさで、ごまかしていないところです。

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元祖大四畳半大物語2 松本零士 BEST SELECTIONS

案外、このマンネリがずーっと続くというのは、残酷なことなのかもしれません。
自分の若さがそのままなら、それでもいいかとも思うのだが、そんなことはありえないし……。

「どんな男にもたまにはあるべき酒池肉林」。名言です。
そして、祭りの後の孤独の厳しさまでかいてしまうのは、やっぱり、松本 零士のすごさだなぁと思いました。

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元祖大四畳半大物語1 松本零士 BEST SELECTIONS

「男おいどん」の原型みたいなお話です。

「男おいどん」との違いは、下宿の人間との人間関係がかかれているところかな。ちょっと、大人向けです。

しかし、基本、「男おいどん」も、「聖凡人伝」も、これも、みんな同じ話です。

孤独は、環境ではなくて、心の状態なので、何者かになれるまで彼らが満たされることはない。そして、何者かになっていても、自分で納得しない限り、満たされない。

その心というか、恨みをずっと忘れないところが、松本 零士の凄いところです。

確実に、わたしの何割かも、松本 零士で出来ています。