龍陽君始末記1
青木 朋の新作は、清の時代のお話です。
雰囲気的には、「八卦の空」とそんなに変わっていない感じです。これから、不思議な出来事を抜いたら、こうなったみたいな。ちょっと、ミステリーぽい話になっています。
青木 朋の新作は、清の時代のお話です。
雰囲気的には、「八卦の空」とそんなに変わっていない感じです。これから、不思議な出来事を抜いたら、こうなったみたいな。ちょっと、ミステリーぽい話になっています。
本格推理の定義が、二階堂さんとわたしでは違うようです。
そのあたりは、う~むですねぇ。
しかし、この時代のマンガを読んで思うのは、本当によくこれだけの内容を短いページに詰め込んだものだということです。
この短編も、今かき直したら、きっと1から2冊ぐらいのマンガになると思います。
江戸川 乱歩も、新井 素子も、夢枕 獏も、本やマンガ好きな人が、本やマンガについて語っているのを読むのは、とっても楽しいです。
この本の内容、兄貴から聞いた話がけっこうるような……。
しかし、兄貴は、こんな本、読んでいたのだろうか。
一時期、ミステリーにこっていたことがあって、あの人、わりとこういう外壁(というか理論)から埋めていくようなことをするので、読んでいたのかもしれませんねぇ。
で、兄貴は、ミステリーというよりは、ハードボイルドな小説に向かっていって、その頃のりんは、SFに向かっていって、純粋な推理小説からは、離れていったのであった。
最近は、ちょっと自分的には、ミステリーのブームです。
アガサ・クリスティー、乱歩を今更読んでいますし、コナン・ドイルも、読み返し中。
そしてなによりも、日本のミステリーも、ちょっと読んでいます。本格推理ものは、けっこう少ないですけどね。でも、京極 夏彦の妖怪シリーズなんかは、江戸川 乱歩に読ませてあげたいです。
どんな感想を書くか、ドキドキします。
やっぱり、おもしろいです。
そして、分厚い……。10000ページ超えてますからねぇ。ほとんど、凶器になりそうな文庫本です。
京極 夏彦を読もうと思ったのは、この「魍魎の匣」の志水 アキのマンガ版を読んだからです。
アレはアレでおもしろかったのですが、多分、このおもしろさを超えるのは、難しいんじゃないかと思います。
これ以降、マンガ版を読んでいくかどうかは、けっこう微妙なものがあります。
800ページ目ぐらいから、名探偵(?)京極堂の推理が始まるわけです。
これぐらいまでは、まあ、普通のおもしろさというか、「姑獲鳥の夏」に比べると、インパクトの分だけ、こっちの方が負けているかなあという印象でした。
でも、最後の怒濤の展開に、ビックリ。
あぁ、なんとなく、京極堂の正体というか、過去みたいなものも、かいま見ることが出来ます。
「貴様はまだそうやって口の先で世の中を渡っているのか?」
は、けっこうウケました。
でも、京極堂のしゃべる、犯罪の動機探しの倫理については、まったくその通りで、でも、私たち自身としては、そう考えていかなければ納得したり、安心したり出来ないところで、なかなか難しいところだと思いました。
そして今回も、見事に騙されました。
ミステリーは、やっぱり、この「騙された」という思いが、快感につながります。
まさか実話だったとはということと、みんな、最後にあの人がもっていっちゃって、愛の逃避行を続けているところが、見事に騙された感じです。
私は、なんだか酷く--
最後に、なんとなく読者にも、そんな風に思わせる。
うまいわ。
3巻からはじまる「彼の蒼なるものの名は」の完結です。
蜀取りから劉備の漢中王になるまでと、関羽の死から劉備の死までの2つの時代の出来事が、平行して書かれていきます。
別に、謎解きがあるわけではないのですが、なんか、良質なミステリーを読んだような気にさせてくれます。
最後、そうきたか。でした。
でも、この後、彼が生きていくのは、なんのだめなんでしょう?
なかなか、悲痛な叫びの聞こえそうな1冊でした。