風の騎士 グイン・サーガ105
いやぁ、もうとっくに死んでいるものだとばかり思っていたので、ちょっとこの登場は、ビックリですねぇ。
まあ、前の巻あたりから、もしや……という感じではあったのですが。
映画「ナルニア国物語 第1章 ライオンと魔女」を見てきました。
原作は、かの有名な児童文学です。
とか書いていますが、わたしは、まだ読んだことありません。実は、名作でけっこう抜けているものも多いです。
特に、ファンタジー系は、けっこう大人になってからの読書が多いので、ハヤカワ文庫と昔の講談社文庫((昔の講談社文庫は、ファンタジーでいい作品が多かったのです。安房直子、あまんきみこ、トーベ・ヤンソンなどなど))が中心なのです。
だから、「ナルニア国物語」とか、「ゲド戦記」とか、ミヒャエル・エンデとか、岩波のファンタジーは、けっこう読んでないものが多いのです。
まあ、文庫でないので、1冊1冊が高価でかかさばるという問題も、かなり大きいと思います。
でも、有名なので知識はあります。
「ナルニア国物語」の知識。
ぐらいです。で、これぐらいの知識で、映画を見に行きました。
映画の始まる前、ねぇさんのが買ったパンフレットを見て、さらに少し知識を仕入れます。
で、映画です。
以下、ネタばれもありますので、ご注意を。
「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」とこの「秘密機関」を平行して読んでいて、両方とも、大当たりのおもしろさで、どっちを読みすすもうかちょっと迷ったぐらいです。
クリスティー文庫で、「ポアロ」1冊、「マープル」1冊ときて、この「トミー&タペンス」という順番に読んできたわけですが、わたしの中では、このシリーズが今ところ1番おもしろいです。
これは、あきらかにわたしの好みが、「本格推理」ではなくて、「エスピオナージュ」の方に傾いているためだと思います。
うーん、部屋の中を歩き回って、
「うーむ、この毒ワインはいったい誰が……」
とやっているよりも、冒険に飛び回っている方が、楽しく感じます。
そういう意味で、この素敵な2人組の活躍は、メチャクチャ気持ちのよいものでした。
もちろん、推理の要素もあって、ブラウン氏さがしもおもしろかったです。
2人の人物が疑わしくて……わたしは、見事にだまされてしまいました。まさか、あそこで、あんなふうに大どんでん返しがあるとは……。
あの謎の身元不明の死体。
「そうだったのか!」と思わせておいて……。
けっこう、手に汗握る。多分、だから後には残らない。
でも、その瞬間、瞬間に、とても価値がある。
これは、そんな物語です。
うーん、やっぱり、登場人物が多いとつらいなぁ(笑)
普段が、キャラクターのメリハリのきいた小説ばかり読んでいるので、この手の「みんなあやしい」小説は、誰がたれだかわからなくなります。
ヘイスティングさんは、ただのいい人でしたが、この小説の語り手の牧師さんは、けっこう魅力的でした。
すごい自分を客観的に見ている人で、でも、ときどき、熱中するこの人は、けっこう魅力的だ。
グリセルダとの関係も、終わり方も、けっこう好きです。
あと、お医者さんの考え方が、ものすごく現代的でびっくりしました。書かれたのは、1930年。わたしの生まれる遙か前なのに。