たった一人の大切な

中澤泉汰,吟鳥子,読書

きみを死なせないための物語3

16年前の出来事は、呪いのように残された者に影響を及ぼす。
それでも、ジジを見て、それでも、ジジを一人の個人として見て、

「ぼくが恋したひとは祇園さんだけだ」

というルイの正しさというか、自分自身にも向ける厳しさは、切ない。

さて、いろいろと設定が見えてきた感じがします。限定され管理された人間関係。命の価値の「査定」による安楽死。つめこまれたものは、重い。
でも、だれもがだれかにとって特別な「きみ」のはず。