吟遊詩人ビードルの物語
ローリングは、このハリー・ポッターの世界をものすごく熟知して作った感じがします。
しかし、そうすると、ハリー・ポッター以外のまったく別の世界をつくり出せるのか、少し心配になります。次回作は、どんなものになるのでしょう?
でも、もうすでに、次回作なんか書かなくても、一生暮らしていけるぐらいにもうけたでしょうか?
「ハリー・ポッター」シリーズの番外編です。
お話の中に出てくるモンスターや、背景として存在するモンスターの解説がされています。ハリーの使った教科書という設定で、ところどころにハリーのラクガキもあります。
オマケ的な意味合いのものですので、事典というほどでもないです。毒にも、薬にも?
まあ、ローリング、商売上手だなぁと。
最終刊。
ついに完結しました。
おもしろかったーーー。
何回か書いた気もしますが、本当に1巻の「ハリー・ポッターと賢者の石」を読んだときは、
「なんじゃこりゃ……」
と思ったんですよ。
「これがおもしろい……???どこが???設定が???」
多分、いろんなところで、「ハリー・ポッターより面白い!!」なんて特集を組んで、「ゲド戦記」を紹介した人たちも、同じ気持ちだったんだと思います。1
でも、こうやって7巻の最終刊まで読むと、そんなふうに、「おもしろくない」と感じたことのほとんどが、ローリングが物語に仕掛けた罠だったんだなぁと思ってしまいます。
以下、ネタバレありです。
いよいよ、ラストです。
もう、安全なホグワーツから出て、危険な世界へと旅立ちます。
しょっぱなから、ものすごくスピーディな展開です。
10歳(でしたっけ?)で、特別な恵まれた子(……と書くと、まあ語弊があるのですが。努力なくしてヒーローという意味ではその通り)だった、ハリー・ポッターですが、17歳は、なかなか厳しい世界と向き合わなければなりません。
これが先に待っているのなら、あのぬるま湯状態も、ある意味、大切だったというか、許されてもいいのかと思ってしまうほどの厳しさです。
ローリングは、けっこう、大人を理想化して書かないところが、児童文学なのにすごいです。
いい人にも、欠点があるところをちゃんと書いている。