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魔法の声

おもしろかったです。
おもしろかったのですが……。

今まで、「どろぼうの神さま」と「竜の騎士」を読んで、わたしがフンケにもとめていたおもしろさと、この本のおもしろさは、少し違ったようです。

まあ、途中、修羅場が入ったということや、他の本に比べて厚いということもあるのですが、他の2冊に比べて、読むのにけっこう時間がかかったのは事実。

理由は、わかっています。
カプリコーンをはじめとする「悪者」たちの存在です。

「どろぼうの神さま」には、明確な悪者って、でてこなかった気がします。
「竜の騎士」には、金の君が出てきましたが、どこか、ユーモラスでした。しかも、悪いのは、個人で、部下は、イヤイヤしたがっている感じ。

でも、「魔法の声」の悪者たちは、本当に、悪い感じがするんですねぇ。
そして、その分、主人公たちのいたぶられ方が、いたいたしいんです。
わたしは、エリノアが、本を燃やされたところとかは、本当にきつくて読めなかったですよ。

多分、フンケにとって、こう感想を書かれることは、「成功」なのだと思います。
今までとは、違った「指輪物語」などにつながる、「嘘だけど本当の話」をつくりだしたかったんだと思います。
たしかに、何もかもに向けられる「悪意」というのは、あるのだと思います。

「魔法の声」は、続編が書かれているそうです。
どうか、魔法の声から生み出される物語が、しあわせな物語でありますようにと、祈っています。

コルネーリア・フンケ,Cornelia Funke,
浅見 昇吾
WAVE出版
発売日:2003-11
 

水島新司,読書ドカベン,ドカベン プロ野球編,少年チャンピオン・コミックス,水島 新司,秋田書店

ドカベン プロ野球編52

はじめ何で、「セとパに1チームずつ」ではなくて、「パに新たに2チーム」つくるのかというのが、わかりませんでした。

色々考えて、単純に、「セ・パにわかれたら、年に1回しか戦えないからかな?」と思ったのですが、昨今の合併話を聞いて、やっと理解できました。

しかし、パのこの2球団というのは、優勝を約束された巨人のようなチームという気もするので、どうなんでしょう?

あだち充,読書あだち 充,小学館,少年サンデーコミックス,KATSU!

KATSU!13

岬が怪我で、直接対決は、回避。
このあたりのそらせかたは、あだち充は、うまいねぇ。

このあたりの「もりあげなさ」は、計算してやっている気がします。

津田雅美,読書彼氏彼女の事情,津田 雅美,白泉社,花とゆめコミックス

彼氏彼女の事情3

まあ、たとえ自分は、「よい」と思っても、成績が落ちたりすれば、周りは納得しないというそういう話。

遠まわしに、チクチクということはあっても、この時代ですから、2人して生徒指導室に呼び出して……なんてことは、ないだろうとは思いますが。

さて、先生たちの問題よりも、これからおこるイジメの方が、登場人物たちにとっては、くるしいことになりそうな感じです。

ドキドキ・ワクワク。

あぁ、続きがすぐに読めるって、すばらしい(笑)

吉田秋生,読書CIPHER,イブの眠り,マンガ,吉田 秋生,吉祥天女,小学館,河よりも長くゆるやかに,BANANA FISH,floweフラワーコミックス,NANA

イヴの眠り2

吉田秋生は、昔は、すごく絵柄の安定しない人で、絵はすごい上手なのですが、キャラクターが、キツネみたいな絵になったり、大友克洋みたいな絵になったりしていました。

でも、「BANANA FISH」の後半あたりから、すごく安定した絵を描くようになってそのあたりから、物語のおもしろさも、一段と増してきた気がします。1

「イヴの眠り」では、有末静の娘アリサ、そして、クローン死鬼、などがでてきているのですが、同じ顔をしながらも、しっかりと描きわけができているところがスゴイですね。
しかも、アリサは、母親であるルー・メイにも、ちゃんと似ている。

おんなじ顔の描きわけをしたマンガは、わたしが知る限りあと、成田美名子の「CIPHER」ぐらいだと思います。2

  1. もっとも、それにともなって、「河よりも長くゆるやかに」のような作品は、描かなくなったのでなくて、描けなくなったのではないかという気もして、少しさびしいですが []
  2. 余談ですが、「CIPHER」は、1巻とかでも後から読むと、どちらがロイで、どちらがジェィクかがわかるようになっています []