ジーニアース5
最終巻。
4巻ぐらいからの急展開。
打ち切りですね。
それが、作者の連載時のコメントにも出ていて笑ってしまった。
でも、魅力的な人たちが活躍しないままに終わったので悲しいです。
ムスリムというと、どうしても、
「信仰か剣か」
みたいな印象があって、抑圧的な印象をもっています。
実際に、そういう面があることも確かだと思います。でも、それと同時に、ものすごく豊かな文明国であることも確かです。
そういうことをあらためて、しかも、メチャクチャはっきりと見せてくれるのが、このマンガです。
もう、1話読んで、これ続き絶対に読まなければと思いました。
知識や教育を持つことで、世界に対して豊かな生活をしていくことができるよという思想が底に流れながら、なかなか、それだけではままならない現実もかかれています。
それは、生活に必要な知識だけではなくて、もっと原理原則的なエウクレイデス(ユークリッド)の原論であったりするというのが、なんとも、ドキドキします。
めちゃくちゃスケールの大きな話が展開していくみたいなので、これからも、ドキドキして続きを読みます。
「バイポーラ」って盛り上がり方からして、全6巻の「ズミコ」の5、6巻ぐらいの話かと思うじゃないですか。それが3巻にあるって、どうよ。
そして4巻目は、イズミコというよりは、サガとユーコの関係性が中心になってきます。
お話の決着のつけかたとしては、この手のマンガでは2種類しかないと思っているのですが、そのどっちにもっていくにしても、枝葉的なところの整理をしておこうという感じだったのかなぁと。
そのへんのバランス感覚としては、「うる星せつら」の後半で、しのぶの落ち着き先を考えた高橋 留美子とよく似ている。物語の構造も、「うる星」と「イズミコ」はけっこう似ていると思います。
そういえば、どっちも、劇画村塾出身でしたっけ?
最終巻。
いろんな選択の上でこの世界は成り立っている。
その中には、もちろん選択しないというのも、選択の1つ。
このマンガは、それぞれがそれぞれの選択をするという方法を選択した。うーん、この話の結論というか、落としどころとしてはそうとしかしようがないかなぁと思います。
もしくは、選択を保留するという選択かのどっちかしか取りようがない。
でも、実はそれは人間にとっては1番きつい厳しい選択だったような気もします。
だって、モータルとインモータルが、一緒に生きている世界ですからねぇ。けっこうな地獄だと思うのですが、どうでしょう。
しかも、それが自分の選択でそうなっちゃって、誰にも責任を押しつけることができないとしたら……。
あとから、やっぱり、やめたってできるのかな。
そして、2世、3世は、どうなっていくんでしょうか。成人したら、選択できるのかな。
まあ、やっぱりやめたができるのならば、それはそれで、どこまでも「保留」に近い選択ということになるのかもしれません。それでも、モータルとして生きようとして年取ってから、やっぱりヤダってなったらどうなるんだろうとか、いろいろ疑問はつきないですねぇ。
うーん。
まあ、ちょっと消化不良感も残るけれど、なんか、新しい地平を見せてくれた気もします。同時期に読んでいた「ドメスティックな彼女」よりは、こっちの方が好きでした。