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あんまり、もりあがらんままに終わってしまったなぁ。
嫌いじゃないんだけど……。
ジョージ・R・R・マーティンというと、ゲームでもファンタジー小説でもけっこう有名な「七王国の玉座」の人です。
まだゲームの「七王国の玉座」もやったこともなく、小説「七王国の玉座」も読んだことがないのですが、わたし、この人、知ってます。
創元推理文庫のSFシリーズからでていた「ワイルド・カード」シリーズのまとめ役の人ですね。
「ワイルド・カード」を読んでいた頃は、ちょうど、「X-MEN」とかアメコミにはまっている頃((実は、今も読みたいと思っているのですが、小学館プロダクションがアメコミから手を引いてからは、物理的に無理なんですよねぇ…。JIVE高いし、売ってないし…))でして、この小説で読めるアメコミが、わたしは、めっちゃ好きだったのです。
まあ、「ワイルド・カード」は、シェアワールドもので、いろんな人が書いていて、人によってできも違って、ジョージ・R・R・マーティンは、なん、盛り上がる話よりも、まとめのような話ばっかり書いていたと記憶していますが…。
さて、今回の「タフの方舟」です。
第1話は、どうやって、タフが方舟を手を手に入れたのかというお話でした。
これを読んだときは、イマイチでした。
なーんか、悪いヤツばっかりで、いやなかんじのお話なんですよ。
それから、短編連作っていう感じなんですが、1話1話、章わけが何にもないんですね。わたしは、割と小刻みに切って本を読んでいく人なので、キリのいいところがない小説というのは、けっこう読みにくい…。
うーん、30ページぐらいで1区切りあるのが読みやすいんですよ。
なんとなく、先も読めてるし……。
プロローグから、もっと、ホラーっぽい話を期待していたら、なんと、アクション映画だったという感じです……。
タフの性格も、なんかつかみ所がない。
と思って、2話目の「パンと魚」に進んだのですが、これは、メッチャ面白かったです。
トリー・ミューンという姉御が、かっこいいんだ。これが。
人口爆発を起こしている惑星。そこに、タフが行って、初仕事というお話です。
どうも、あとがきを読むと、この惑星のお話が、メイン・ストリームで、1話とかは、あとから付け足しの話のようです。
うーむ。こうやって、シリーズが書かれた順じゃなくて、時代順に並べられることって、よくあるんだけど、あんまりこれが成功しているとはいえないなぁ。
成功してない例で悪いけど、
「風の大陸」
「エルリック・サーガ」
「ポーの一族」
なんかも、やっぱり、書かれた順で読んだ方がおもしろいと思うのです。
「あのキャラクターの過去」とか、「あのキャラクターたちの出合い」だから、面白い話も、いきなりしらんキャラがでてきても、楽しめないのです。
その点、レンズマンは、偉いなぁ。今までさりげなく(あれは全然さり気なくないか?)触れられていた過去が、詳しく語られていくというのは、楽しいです。
なんか、関係ない話になってきたな(笑)
えーと、タフは、ネコを飼っていて、そのネコたちが、けっこう無味乾燥なタフに彩りをあたえてくれていると思います。
それから、タフは、なんか、悪辣で、無礼な人間みたいに書かれているのですが、実は、まあ、自分の良心に乗っ取って行動しているということで、けっこういい人のようです。
ただし、いい人が、いつも正しい選択ができるとは限らないです…。
特に、タフみたいに、メチャクチャな力を持ってしまっている場合は…。
そのへんの議論は、「パンと魚」のなかで、トリー・ミューンとタフがやっています。
まあ、今のところ、タフは、失敗なしなのかなぁ。このあたりは、まあ、疑問が残るところではありますが。
素人だしね。メチャクチャな力が、思いもかけない悲劇を引き起こすことも、やっぱりあると思うんですよ。
でも、そういうことをひっくるめて、それほどあまくわないけど、けっこう作者は、人間を信じているところがあるなぁと思います。
ただし、これって、たくさんの人口を養えるようになったけど、本質的に、解決になってないんですよねぇ。
まだ、続きがあるようなので、どうなるのか楽しみです。
あと、トリー・ミューンが、どうなるかも、気になっています。
はじめは、ネコを嫌っていた彼女が、虜になっていくところも、けっこうネコ好きには読ませるところです。
ネコ好きに、悪い人はいないと思います。
今まで、岡野玲子の「陰陽師」のレビューって、書いたことなかったんですねぇ。
なんか、意外だ。
でも、いろんな解釈があるから、下手なことを書くと、バカにされそうだという緊張感がただよいますねぇ(笑)
まあ、わたしは、いつも、「自分勝手解釈読み」ですから……。
えーと、昔、まだ実家にすんでいた頃、夜中にマンガを読んでいて、隣の部屋にいる妹にまでクスクス笑いが聞こえたそうな。
「何読んでたの?」
と聞かれて、その時読んでたのが、岡野「陰陽師」と「ガラスの仮面」だったという。
「ガラスの仮面」は、単純に、月影先生が笑うと、自然にわたしも笑いたくなってくるという……。みなさんは、そんなことないですか?
岡野「陰陽師」は、多分、1巻、2巻あたりを読んでたんです。あれって、クスッで笑うところありますよねぇ?
妹は、
「ない!」
とキッパリと申しておりましたが……。
で、そんな笑いを誘う岡野「陰陽師」だったのですが、それが、8巻の水場を踏んでいく話あたりから、メチャクチャ張りつめたものになっていたんです。
ストーリー自体も、内裏炎上とか、けっこうきつい話が続きましたし。
晴明自身がやっていることも、どんどん、博雅にも力を貸してもらえないような、タイトロープをわたるような話ばかりでした。
でも、12巻になって、ちょっと笑いが戻ってきたのかなと思います。それがまあ、けっこう私的には、うれしかったりします。
まあ、張りつめたものは、残っているんですけどね。
でも、10巻、11巻みたいに、どんどん真綿で首を絞められるような感じはなくなりました。
確か、13巻で完結。完結に向けて、確かにお話が動いているなぁと感じます。