初月の歌 古代幻想ロマンシリーズ8
坂上大嬢は、いい子ですねぇ。
どっちかというと、「いい子、いい子、男の都合にいい子…」という感じがしないでもありませんが(爆)
「晩蝉-夏の相聞-」は、いい話ですねぇ。
好きです。こういう話。こういう人。
家にありし 櫃にかぎさし をさめてし 恋の奴に つかみかかりて
あぁ。
「今日は『おてばん』の日」
とか思っていたら、長岡 良子を長岡 京子と打ってしまった……(笑)
ということで、時代は、南北朝に。
出てくる有名人が、足利 尊氏とかではなくて、佐々木 道誉っていうんだから、渋い(笑)
今までは、どうしても歴史のなかのシリアスな場面に出てこられなかった超能力者たちも、ちょっとずつ絡んできました。
ただ、やっぱり、力があると傍観者的な立場になってしまいますね。
このあたりの幻想と現実の絡め方は、神坂 智子のシルクロード・シリーズほど、上手にはいってないか。
「異聞竹取物語」が、自分的には、とっても気に入りました。
そうして、こんなふうに歴史の裏側をかけてしまうと、超能力者たちはある意味、いらなくなってしまうのかも。
えーと、わたしのこの時代の人たちの知識というのは、「歴史」の学習で習ったことと、「宇宙皇子」を読んでの知識ぐらいです。
だから、行基は、しっていても、「宇宙皇子」にでてきた行心とかは、てっきり創作上の人物だと思っておりました。
あと、草壁のイメージは、病弱な人。大津皇子のイメージは、ものすごく真面目な人なイメージです。
あぁ、これは、まさに「宇宙皇子」のイメージそのままですね。
「眉月の誓」の大津皇子は、なんか、ものすごく野望があって、なかなか新鮮なイメージです。
でも、大津皇子よりも、ダメダメちゃんなイメージだった草壁皇子のかかれかたの方に、今回は、
「なんかいいなぁ」
と思ってしまいました。
不比等も、最初は、草壁皇子を見て、「ダメダメちゃんジャン」とか思うわけですが、けっこう奥が深いものがありました。
あと、持統帝(そのときは、まだ天皇ではないか)の大津皇子に対する複雑な気持ちとかも、読んでいてよかったです。