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帰還 ゲド戦記4

この人の文体って、こんなだったろうか?
まあ、そんなに覚えているわけではないけど、もっと、ピシッと言い切った文体だった気がします。でも、このお話では、グネグネとした文章が続いているような気がします。そして、それが決して不快ではないありません。

多分、世界というのは、こんな風にグネグネしていて見えにくいものなのだと思います。
それがわかるまでに、ものすごく時間がかかった。

もちろん、この物語も今までのゲド戦記と同じくテーマになるワンアイデアがあって、それは、けっこう読者に見えています。でも、今までの「ゲド戦記」と違うところがあるとすれば、多分、

「本当に大切なのは『そこ』ではないかもしれない」

ということなのかもしれません。

力を失って、達観することができないゲドの姿は、クリンの魔法使い達の姿と重なったりもしますが、多分、作者は「ドラゴンランス」よりも、もっと厳しいことを「ゲド戦記」の世界の登場人物達に課している。
そう感じます。