天の華・地の風 完全版 5 私説三国志
棐妹、再登場。
書きたいものは、歴史ではなくて物語。
そういう態度が、明確に出ている1巻です。
まあ、やおいという時点で、歴史ではないだろうという気もしますが……。まあまあ……。
でも、こういう物語的な展開が、とっても楽しいのです。
棐妹、再登場。
書きたいものは、歴史ではなくて物語。
そういう態度が、明確に出ている1巻です。
まあ、やおいという時点で、歴史ではないだろうという気もしますが……。まあまあ……。
でも、こういう物語的な展開が、とっても楽しいのです。
3巻からはじまる「彼の蒼なるものの名は」の完結です。
蜀取りから劉備の漢中王になるまでと、関羽の死から劉備の死までの2つの時代の出来事が、平行して書かれていきます。
別に、謎解きがあるわけではないのですが、なんか、良質なミステリーを読んだような気にさせてくれます。
最後、そうきたか。でした。
でも、この後、彼が生きていくのは、なんのだめなんでしょう?
なかなか、悲痛な叫びの聞こえそうな1冊でした。
3巻冒頭で、いきなり関羽が死んでいて、展開はやすぎだろうと思いましたが、実は、そこから益州取り後の回想が始まります。
あいかわらず、読みやすいです。
そして、蜀の人って、いい人ばかりのイメージがあったのですが、本当は、こんな感じでそれぞれの思惑はきっとあったんだろうなあと思いました。
周腧亡き後ということで、孔明に乱暴狼藉を働くものもなく精神的に悶々としているだけの2巻です(笑)
精神的に悶々の原因は、龐統が、玄徳にかわいがられているから。
このあたりの書き方は、他の三国志とはひと味違うのですが、なかなか説得力があって楽しいです。
そして、龐統も……。
孔明、悪いやっちゃ(笑)
妹に紹介したのはわたしのような気もしますが、わたしは今まで読んだことがなかった江森三国志「てんぱなちかぜ」です。
実は、けっこう苦しい展開を予想していたのですが、けっこうあっさりというか、サクサク読めました。
理由のその1は、文体ですね。この人の文体は、ものすごく読みやすい。この辺、自分が読みやすいと感じる文体がどんなものであるのかというのは、よくわからないのですが。でも、文章上手いと思います。
理由のその2は、ビックリするぐらいストーリーのオーソドックスなつくりです。
これは、「やおい」としての物語のつくりも、「三国志」としての物語のつくりも、ものすごく王道。少なくとも、ここまで王道なつくりのお話がでてくるとは思いませんでした。
周瑜×孔明なわけですが、もちろん、普段精神的に優位に立てる方が、受けなんですよ(爆)
そして、傍らには、理解者の読者の分身的な女の子もいる。
このあたりのものって、まあ、好まれるタイプの話っていうのは、この20年ぐらいかわってないのかもしれない。でも、これが書かれた20年前というのは、だんだんとこういうタイプの話が増えてきた時期のなので、ものすごくこの物語って、基本に忠実なんだと思います。
三国志としてのつくりも、多分、正史の方をより元にしている感じです。
まあ、ツッコミどころとしては、たかが絵ぐらい、複製すればいいだろう……とか、あるんですけどね。
でも、まあ、それぞれのキャラクターが、可愛らしくもあり、ほとんど無理なく上手いです。
孔明、30歳とかいわれると、年齢的にはギリギリやなぁとか思いますけどね。
でも、浮かぶ映像は、人形劇の人たちとか、小林 智美の絵なので、ほぼ抵抗ないです。
まあ、そのあたり、男の人は、わたしがやおいにあんまり抵抗がないということを差し引いて考えてもらわないといけないかもしれませんが。
赤壁からはじまって、全10巻。けっこう、落ち着いたスピードでのストーリー展開のようです。
続きが、けっこう楽しみです。