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狼のレクイエム 第二部 ブーステッドマン ウルフガイ4

一気に、抑圧されていたものが開放されて、ぶっ飛んでいく爽快感のある「狼のレクイエム」第2部です。

昔は、次の「黄金の少女」が、「狼のレクイエム」第3部になっていましたが、今は、そうでもない。そもそも、「黄金の少女」ほぼ狼でてこなかったような……。
というか、そもそも、「狼の怨歌」の読み方が「おおかみのレクイエム」だったらしいですからねぇ。そのあたりは、あんまりこだわりないのかな。

まあでも、これは、歴史に残る名作だと思います。読む人によっては、エンタメに振れすぎている感じがするのかもしれませんが、圧倒的におもしろい。そして、それは正義。

ただ、人に影響を受けやすい純粋なところのある平井 和正が、このあたり、1番なやんだところでもあるようです。
多分、この続きが長らく書けなかったのは、それでも読者の要望で「ウルフランド」にラストシーンの書き直しをしたことの影響は、ものすごく大きいと思っています。
読者は、物語にどんな感想をもってもいいのだけれど、物語の筋を変えさせるような要望を作者にしてはいけないと思います。いや、その結末が嫌なら、自分で書け。もしくは、想像してたらいいのです。
物語はやっぱり、語り手のもので、その語り手がたくさんに増えて、自分の物語を語っていくのはいいのだけれど、それを作者に求めるのは間違えだと思います。

今読んでも、西城たちと犬神 明たちのハンターとの接触の仕方の違いが、すごいと思います。
情報量の違いなんかもあって、たしかにこうなって当然と読めばわかるけど、それでも、犬神 明の苦労って……、ものすごく思う。
でも、そこも対比になっていて、なんというか、お話の色が鮮明なのです。