綿矢りさ,読書インストール,トール,河出文庫,河出書房新社,綿矢 りさ

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最初は、メチャクチャ文体が気になったのですが、この自意識過剰でもてあましている感じというのは、好きかもしれない。
後半になって、文体が気にならなくなってきたのは、慣れてきたというよりも、普通の文体になったからかも。

でも、結局結論は出なくて、問題をポーンと投げかけて、モヤモヤっと終わる感じ。だから、「この話、この後どうなったん」とか思いますが、多分、現実と同じく、どうにもならずにそこに載ったままなのかもしれません。

でも、そういう切り口の巧さはあります。
裸の王様を、裸だといってしまえる勇気。そして、空気の読めなさ。
どっちも、愛しいかも。

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<人間>を超えて

上野 千鶴子って、人関係なしにケンカをうりにいっている印象があって、こんなにまるい人だったのかとビックリしました。

というか、わりと上野 千鶴子が、必死に話し合わせているのに、中村 雄二郎は、あんまり人の話聞いていないみたいな……。
都合の悪いことは、あっさりかわすみたいな。

黒木 香とかでてきて、けっこう時代を感じさせらせますねぇ。
でも、あの子も、結局、消費されて、崩壊しちゃったんだよね。

生きていくのは、つらい世の中だ。

「人間」を超えて―移動と着地

上野 千鶴子, 中村 雄二郎 / 河出書房新社(1994/03)