バルバラ異界2
バルバラは、夢の世界?それとも、100年後の未来?
穏やかな世界に見えたバルバラも、なんか、仮面をかぶっているみたいです。
もう、ちゃんとストーリーを追いかけられているのかどうか?
バルバラは、夢の世界?それとも、100年後の未来?
穏やかな世界に見えたバルバラも、なんか、仮面をかぶっているみたいです。
もう、ちゃんとストーリーを追いかけられているのかどうか?
えーと、「残酷な神が支配する」から後、この「バルバラ異界」は、購入はしていたけれど、ずっと未読のままでした。
まあ、1番の理由は、萩尾 望都は、読むのに体力と根性がいるからなのでした。
そのくせ、泥沼のように(?)一気に読ませようとするからねぇ。そして、一気に読みたいたぐいのお話だし。
ということで、夏で仕事も一段落した今の体力のある時期に、読んで置こうということで読み始めました。
えーと、凄い。
これは、あんまりにも陳腐な表現ですねぇ。
前作の「残酷な神が支配する」は、リアルな理解しやすい物語だったと思います。まあ、劇的なドラマの連続が、リアルといっていいのかどうかという問題はありますが。
エンターテイメントと人物の心の動きを両方バランス良くかいた物語でした。
それ以前の物語は、どっちかというとSF以外は、心理面にウェイトがおかれていたと思います1。
それが、変化してきたのが、多分わたしは、「あぶない丘の家」あたりだった気がします。
この作品は、日本舞台で、エンターテイメントで、登場人物がどう見たって日本人に見えなくて、でも面白くて、いろんな意味で「凄い」作品でした。
萩尾 望都のターニングポイントだったかも。
でも、ウケたかどうかはわからないので、
それから、一連のバレエシリーズがあったのかな。バレエシリーズあたりは、そのまま「残酷な神が支配する」の流れに続いている気がします。
短編なので、あれほどドラマチックではないけれど。
で、今回の「バルバラ異界」なのですが、近未来設定のSFです。そして、舞台は、日本です。
そうなんか、「あぶない丘の家」の流れを感じる。
というよりも、萩尾 望都の今までの作品の総決算な感じがします。
全4巻。
どんな話になっていくんでしょう?
対談集を読んで、萩尾 望都というのは、やっぱり天才だなぁと改めて思いました。
メッセージを伝えるために、いろいろな層へ伝わるように、何重も何重も仕組みをつくっておくという。それは、自分がそれぞれの層を想像して、理解しておかなければならないということです。
しかし、安彦さんって、かなりこの世界では、重鎮なお年だと思うのですが、それでも、まだいっぱい野望をもって、落ち着きたくなあなぁと思っておられることがよくわかります。
だから、大塚 英志との元気いっぱいの(けんか)対談も、それほど悪い感じではないです。
しかし、大塚さん、最近、誰にでもかみついてないか?前から、それが芸風か?
カラーの絵を見ていると、「百億の昼と千億の夜」のころの萩尾 望都みたいな雰囲気です。
ストーリーは、最初の話とかは、山田 ミネコの「緑の少女」を思い出してしまいました。
あと、少女が一瞬で大人になっている「葦の原幻想」のテーマとかも、けっこう、似たものを感じます。
そして、短編連作で話を続けていって、狂言回しに超能力者(神)たちがいるというのは、なんだか、神坂 智子の「シルクロードシリーズ」を彷彿とさせます。
第1話が掲載されたのが、1984年だから、多分、その辺の作品のというか、作家たちの影響というのはあるのだろうと思います。
それでも、いろいろなものを吸収して、自分独自の世界をつくっているなぁというところは、好きです。
あとの話にでてくる史は、多分、藤原 不比等なんだろうなぁ。
あの人って、イメージ的に、恋をするような人ではないので、これからどうなっていくのかなども、気になります。
短編連作で、いろいろな角度から切り取っていくという形も、この物語にとてもあっているなぁと思います。