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鮎師

将棋の話とか、格闘技の話の場合は、目に見える相手がいのですが、「釣り」は、孤独です。

もちろん、仮想敵は、「鮎」ということになるのかもしれないし、人と人とのドラマが中心なのですが、それでも、それにとりつかれていく姿は、孤独で、しかも虚しい。

それでも、とりつかれちゃうのは、なんでなんでしょうねぇ。
わたしは、釣りはやらないので、わからないです。

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波のうえの魔術師

実は、石田 衣良を読むきっかけになったのは、この作品のテレビドラマ「ビッグマネー」1でした。
まあ、あんまりテレビを見なくなってた時期だったので、かなりいい加減にしか見られてなかったのですが、なんか、気になるドラマでした。

これに出てくる老人が、植木 等で、これが格好いいんだ。

で、原作の「波のうえの魔術師」という原作があることを知って、読もうと思って、石田衣良に手を出したわけです。

あれから、数年(笑)。やっと、読めました。

老人の名前は、小塚。やっぱり、格好いいわ。

まあ、株の話はよくわからないので、途中、「なんのこっちゃ??」っていうのはあったのですが……。

ちなみに、これ、妹も読んでました。

「全然、おもしろくなかったわ」

という感想でした。
株とか、マネーゲームに、全然理解や愛がないのは、そういう血だからかもしれません。

でも、それなのにあの無精な人が(スマン)最後まで読んだというのはけっこうすごいなぁと思いました。
なんか、読ませるものがあるみたいです。

  1. ずっとなぜか、「ピックウェーブ」だと思っていた []

夢枕獏,読書夢枕 獏,文春文庫,文藝春秋,陰陽師

陰陽師 龍笛ノ巻

時々、岡野陰陽師を読んでいると、夢枕陰陽師から、遠く離れたところにきたなぁと思います。
でも、ときどき、やっぱり原作、さすが原作と思わせる話がきっちりあってよいですねぇ。

人物の取り扱い方、特に陰陽師の術者関係は、道満にしろ、保憲にしろ、かなり扱い方が両陰陽師の中で違っているのですが、なんか、作品中の人物の韜晦の仕方とかは、ときどき、ドキッとするほど似ていたりします。

夢枕獏,読書夢枕 獏,文春文庫,文藝春秋,腐りゆく天使,

腐りゆく天使

延々と、しつらこーく続けていくのが夢枕獏の持ち味だし、おもしろくないことはないのですが、ネタ的に、短編のネタだなぁと思います。

まあ、もとの短編を読んでいるからそう思うのかも。別に、短編を長編に焼き直すのは、わるいことではないと思っていますが……。

じゃあ、なんで、この死体は、こんな力(?)を持っていたのだろう?
他の死体とは、いったいどこがちがったんだろう?

という疑問は、残ってしまいます。

でも、イメージは、すごい。
それから、詩で、そういうもやもやしているものを召還していくすがたも、けっこうすごかったです。

石田衣良,読書少年計数機,文春文庫,文藝春秋,池袋ウエストゲートパーク

少年計数機 池袋ウエストゲートパーク2

「池袋ウエストゲートパーク」を読んだ時は、ちょっとかっこつけすぎだろうと思っていたのですが、こっちを読み進めていくうちに「これ、かっこいいわ…」に変わってきました。

特に格好良かったのは、「銀十字」ですねぇ。
じいさんが強くて、若者を投げ倒すぐらいまでは、なんとなく予想ができましたが(まあ、名前もそれっぽいしね)、最後の最後、あの展開になるとは思いませんでした。

ある意味、無駄なく伏線全部使っていく、とっても小説らしい小説なのですが、こういう「かっこよさ」は、なかなかいいなぁと思います。