リアード武侠傳奇・伝 グイン・サーガ外伝24
改めて読みましたが、コレ、良いわ。好きです。
そして、この外伝すら飲み込んでいく正伝であって欲しいと思います。
それは、ものずこいプレッシャーかもしれないけれど。
なんだか、人間の世界にいるグインは、あまりノスフェラスのことが好きでないように感じるので、ノスフェラスのグインは、こっちのグインでいいのかもと思ったりします。
「グイン・サーガ・ワールド」で読んでいたときは、イマイチとか思っていたのですが、まとまって読むと印象以上に面白かった。
「ワールド」を読んでいる時は、読むのに間があいたせいで、1話1話の話の繋がりが良く理解できて無くてマイナスになっていましたが、今回は、2回目ということで、話もしっかのり入ってきたので、まあ、わたしの最近衰えてきた記憶力の問題かなぁ。
くどいと思っていた描写も、こうやって読むと、広い草原や人の生活を表現するのには、やっぱり必要だったなぁと思いました。
結局、ハシクルの謎は謎のまま、星降る草原に消えていく。そこは、栗本 薫っぽくはないのだけれど、でも、「物語」なのだなぁと感じさせられるのです。
これにて、「グイン・サーガ・ワールド」は、終了。
続きは、ハヤカワ文庫から単行本でという感じです。
このまま、この企画を「ガンダム・エース」みたいに続けていくというのも可能かと思うのですが、そうすると、これから売っていきたい(残していきたい?)単行本の方の売れ行きが怪しくなるのかも。まあでも、栗本 薫の特集本として、数年に1回でいいので、こういう本が出て欲しい気はします。
正編の方も、だんだん良くなってきていますが、今回、特に良かったのは、「アムブラの休日」です。すごい好き。よくあるネタといえばそうなのですが、なんか、ヴァレにもルビナにも、愛があってすごい素敵でした。
昔、栗本 薫が、
「オリジナリティなんて、どうでもいい。面白い話が大事」
という意味のことを書いていたのを思いだした。
本歌取りしながら、そこにグイン・サーガという作品の「今」ものってられていて、だから、甘くて悲しいお話になっています。泣くわ。