魔法のゆび ロアルド・ダール コレクション 3
カッとなると制御不能の魔法を使ってしまう魔法使いの女の子のお話。
これは、女の子が、ある意味「正しい認識」をもって、ちゃんと怒っているから、いいお話になっているのですが……もし、それがなかったら、というか子どものワガママだけで動くと……途端にホラーになりそうです。
そうして、大人、子ども関係なしに、そういう大きな力をもってしまうと……。
いや、単純に、かわいいお話として読めるんですけどね。
今にして思えば「ドラゴンランス」のマジェーレ家は、キャセモン、レイストリン、キティアラで、光、中立、闇ときれいな三角形だったんだなぁと思います。
そして、魅力は、中立のレイストリンにありました。
「セカンドジェネレーション」では、この中立的なキャラクターが、すごくたくさん出て来て、魅力的です。
上巻に出て来たスティール、バリンなんかも、そうです。
下巻には、レイストリンの娘ウーシャ、タニスの息子ギルサナスがでてきます。
こちらは、精神的には、多分「光」の方を見ているようですが、生まれ的には、2人とも「ハーフ」です。
それから、そのすべてを見ているという感じのダママール。この人、いいキャラになったなぁ。「伝説」のときは、そんなに感じなかったのですが、たしかに、かなりかっこいいです。
そして、個人的な問題だけではなく、この中立的ものは世界の構造そのものにもはいりこんできます。
エルフの腐敗。そして、気高い「タキシス騎士団」。光にして混沌。闇にして法。
まるで、巴の紋のように、光の中に闇があり、闇の中に光があります。
プロローグが終わって、「夏の炎の竜」に向けて、物語がうねっています。
3巻目は、真犯人謎解き編です。
東京の行き帰りの電車の中で、一気に読みました。ジェットコースター健在です。
↑ こんな風に、1冊の本を集中して読むということは、ほとんどありません。
まあ、推理小説の最終巻ということなので、ネタばれありということで、続きを隠します。
うーん、はじめ読んだときは、悪い方のダールだと思ったのだけど、いい方のダールも混ざっている感じです。
それは、マチルダとミス・ハニーの魅力のせいです。
本を読む人に対しては、それだけで、好意度がアップするわたし……。
あと、テレビに関する考え方は、わりとダールと一緒なんですよねぇ。特に、子どもとテレビについては。
大切なことは、マチルダみたいな環境におかれている子どもは、実はけっこういるということ。
そして、もっと大切なことは、そのなかでマチルダみたいに育つことは、メチャクチャ困難だということ。
以下、ちょっと物語のラストにふれているので、隠します。