聖凡人伝6
「聖凡人伝」も、これで完結です。
このマンガのすごいところは、何十年か後、松本 零士が生きていたら、突然、また、きのうのことのようにはじまりそうなところですね。
「男おいどん」は、おいどんが旅に出るところで終わっていますが、出戻 始のこの日常は、今も続いています。
しあわせでもなく、さりとて、不幸でもなく。
それは、永遠に続く、青春時代かも。
「聖凡人伝」も、これで完結です。
このマンガのすごいところは、何十年か後、松本 零士が生きていたら、突然、また、きのうのことのようにはじまりそうなところですね。
「男おいどん」は、おいどんが旅に出るところで終わっていますが、出戻 始のこの日常は、今も続いています。
しあわせでもなく、さりとて、不幸でもなく。
それは、永遠に続く、青春時代かも。
なんだかんだといって、けっこう女々しい主人公だと思います。
特に最後の屋台の人が家庭を持っているところにショックを受けるところとか。
でも、その女々しさが、「凡人」なのかもしれないとも思います。
基本的に、ストーリーはないのです。
これを続けるというのは、けっこう、作者にとっても難しいことだと思うのですが、松本 零士にとっては、そうでもないのかな?
早名さんも、とうとう……。というエピソードは、さすがに、ショックでした。
まあ、誤解で良かった。
しかし、松本 零士のすごいところは、自分のやっているくりかえしに飽きないところだと思います。
同じパターンでも、おもしろいと信じて繰り返し繰り返しやっていると、本当におもしろくなってくるみたいな。
物語の区切りに、ナレーションが入るの構成なんて、この人のほとんどの作品で共通しています。でも、それが、様式美みたいになっていると思います。
「世も末だという言葉はあるが
世の末が来たためしはまだないのだ」
とか、最後のナレーション、ものすごい名言があります。
しかし、あんまり仕事もせずに、それなりに女の子の出入りもあって、家賃はただ、早名さんからはなぜかとても愛されている気がする……。
けっこう、出戻 始、うらやましい人生では?
まあ、それが、自分の力でかちとったものではないとわかっているから、それに満足できないところがあって、それが男の……という感じなんだろうなぁ。
でも、好きですよ。こういう人。