今日の王国 その17 「庭園」と「公領」(with「公爵」)の歩き方

プレイ記録,ボードゲーム,ボードゲーム日記,今日の王国

ドミニオン

ドミニオン 陰謀

ドミニオン 海辺

基本的に、「ドミニオン」では、勝利点カードである「属州」、「公領」、「屋敷」の枚数は、2人で各8枚、3~4人で12枚と、固定です。1
そして、勝利点カードは、「アクション-勝利点」や、「財宝-勝利点」など、ハイブリットなカードでない限り、デッキの中では手札を圧迫する邪魔なカードです。

でも、勝利点カードは、同時に直接勝敗に関わってくるカードでもあります。どれほど見事に、デッキが回転していて、毎ターン引き切りができていても、勝利点カードかなければ勝てません(そりゃそうだ。というか、何のためにデッキを回しているのだか……)。

ですから、できるだけ邪魔にならないように効率よく勝利点カードを取りたいと思ったら、普通は「属州」を狙いにいくのがセオリーです。「属州」を取れるデッキを目指して、デッキを調節していきます。
「属州」1枚で、「公領」2枚分の点数なのです。「屋敷」なんて、6枚なければ「属州」と同じ点数にならないのです。しかも、値段的にも、「属州」1枚は8金。「公領」2枚は10金。「屋敷」6枚なんて12金もするのです(まあ、1手番ごとの買いやすさは置いといて)。
もう、何を目指すのがお得かは、一目瞭然です。

まあたまに、みんなで「魔女」を撃ちまくったり、みんなで「詐欺師」を撃ちまくったり、みんなで「破壊工作員」を撃ちまくったり、みんなで「海賊船」を撃ちまくったりして、みんなボロボロなデッキになってとうてい8金なんて目指せないというときには、その目標が「公領」になってしまうこともあるかもしれません。
……昔BSWで、-2点、-1点、-4点、0点で、0点の人が勝利とかいう酷い試合を経験したことがあります。それはそれで、楽しいものです。

でもまあ、基本は、「属州」です。

でも、「終盤戦」(いつから終盤戦かというと「その16」を読んでください)になると、「属州」ばかりにこだわっていられません。
いつゲームが終わるかわかりません。買えるかぎり全力の勝利点カードにいっておくべきかもしれません。2

さて、勝利点カードが、「屋敷」、「公領」、「属州」しかない場合は、序盤「属州」を買えるようにデッキを整える、中盤「属州」を購入していく。届かないときはデッキを整える、終盤「属州」以外の勝利点カードもできるだけ購入していくという形で、ほぼ対応できると思います。

しかし、王国カードのなかにも、特殊な勝利点カードがあります。無印の「庭園」。陰謀の「公爵」、錬金術の「ブドウ園」です。3これからのカードは、基本の勝利点カードと同じく、デッキの中に入れば回転を圧迫するカードです。しかし、どれも、可能性として「属州」を上回る力を秘めたカードです。

「ドミニオン」をはじめて間もない頃。まだ、ドイツ語版のカードで「推奨王国カードの組み合わせ」で遊んでいたときのことです。
その頃も、やっぱり、ねぇさんと2人プレイが主流だったのですが、「サイズ変形」(そのころ「メビウス」のルールブックでは、「変遷」と呼ばれていました)を遊びました。これは、「推奨王国カードの組み合わせ」で、はじめて「魔女」と「庭園」が出てくる組み合わせです。

わたしが、圧倒的に「属州」のカードを買い占めていました。しかも、最初のターンに5金がきて魔女を購入、その後も、もう1枚「魔女」を購入して、(今とかわらず)相手のデッキのなかに-1点の「呪い」を送りまくり。
ねぇさんは、デッキもボロボロになって、4金ぐらいしか手札にこなくなっていました。で、ねぇさん、ひたすら4金で買える「庭園」のカードを購入。さらに、買う枚数が複数のアクションカードが出たときは、必ず0金で買える「銅貨」を購入。「銅貨」なんて買えば買うだけ、自分の首を絞めるようなもの。「属州」のカードを買い占めてゲームを終了しました。まあ、どう考えても、わたしの勝ちだろう。
とか思っていたら、ねぇさんの手札が、80枚ぐらいにふくれあがっていたんです。
「庭園」。デッキ10枚につき1点。……1枚8点。

6点×8枚=48点。
8点×8枚=64点。

呪いは、最終的に12枚ほど4送り込んだものの、それぐらいでは、足りないぐらいの差。
しかも、途中、「公領」なんかも買われているという……。

基本の勝利点カードだけなら、「属州」を買い占めた48点は、相手がどうあがいても勝てない点数です。「公領」と「屋敷」を買い占めても、

3点×8枚+1点×8枚=32点

にしかなりません。
でも、「庭園」は、それをひっくり返すだけのポテンシャルを持っています。

だから、「庭園」や、「公爵」、「ブドウ園」があると、序盤、中盤、終盤の考え方も、少し難しくなってきます。

今回は、そんな「庭園」と「公爵」が入った組み合わせです。

[開始:2010/08/15 01:21]

プレイヤー
プレイヤー1:deko (初期手札)[銅貨][銅貨][屋敷][銅貨][屋敷]
プレイヤー2:rin (初期手札)[銅貨][銅貨][屋敷][銅貨][屋敷]

使用サプライ
[中庭][真珠狩り][木こり][役人][祝宴][泥棒][玉座の間][庭園][銅細工師][公爵]
[勝利点]=8枚 [呪い]=10枚 [ポーション]=0枚

ゲーム開始
●deko 1ターン目 山札=5枚 捨山=0枚
(手札)[銅貨][銅貨][屋敷][銅貨][屋敷]
(購入)[銀貨]
ドロー:[銅貨][銅貨][屋敷][銅貨][銅貨]

●rin 1ターン目 山札=5枚 捨山=0枚
(手札)[銅貨][銅貨][屋敷][銅貨][屋敷]
(購入)[木こり]
ドロー:[銅貨][屋敷][銅貨][銅貨][銅貨]

●deko 2ターン目 山札=0枚 捨山=6枚
(手札)[銅貨][銅貨][屋敷][銅貨][銅貨]
(購入)[役人]
ドロー:[銅貨][役人][屋敷][銅貨][銅貨]

●rin 2ターン目 山札=0枚 捨山=6枚
(手札)[銅貨][屋敷][銅貨][銅貨][銅貨]
(購入)[役人]
ドロー:[木こり][銅貨][銅貨][役人][銅貨]

●deko 3ターン目 山札=7枚 捨山=0枚
(手札)[銅貨][役人][屋敷][銅貨][銅貨]
(プレイ)[役人] 獲得:[銀]
(購入)[木こり]
ドロー:[銀貨][銅貨][屋敷][銅貨][屋敷]

●rin 3ターン目 山札=7枚 捨山=0枚
(手札)[木こり][銅貨][銅貨][役人][銅貨]
(プレイ)[役人] 獲得:[銀]
deko 戻す:[屋敷]
(購入)[銀貨]
ドロー:[銀貨][屋敷][銅貨][屋敷][銅貨]

●deko 4ターン目 山札=4枚 捨山=6枚
(手札)[銀貨][銅貨][銅貨][屋敷]
(購入)[玉座の間]
ドロー:[屋敷][銅貨][銅貨][銀貨][役人]

●rin 4ターン目 山札=3枚 捨山=6枚
(手札)[銀貨][屋敷][銅貨][屋敷][銅貨]
(購入)[庭園]
ドロー:[屋敷][銅貨][銅貨][銀貨][銅貨]

●deko 5ターン目 山札=10枚 捨山=0枚
(手札)[屋敷][銅貨][銅貨][銀貨][役人]
(プレイ)[役人] 獲得:[銀]
rin 戻す:[屋敷]
(購入)[祝宴]
ドロー:[銀貨][銀貨][銅貨][玉座の間][銅貨]

●rin 5ターン目 山札=11枚 捨山=0枚
(手札)[銅貨][銅貨][銀貨][銅貨]
(購入)[公領]
ドロー:[屋敷][銅貨][銅貨][屋敷][銅貨]

●deko 6ターン目 山札=6枚 捨山=6枚
(手札)[銀貨][銀貨][銅貨][玉座の間][銅貨]
(購入)[金貨]
ドロー:[銅貨][屋敷][木こり][銅貨][銅貨]

●rin 6ターン目 山札=6枚 捨山=5枚
(手札)[屋敷][銅貨][銅貨][屋敷][銅貨]
(購入)[銀貨]
ドロー:[庭園][役人][銀貨][木こり][銅貨]

●deko 7ターン目 山札=1枚 捨山=12枚
(手札)[銅貨][屋敷][木こり][銅貨][銅貨]
(プレイ)[木こり]
(購入)[公領]
ドロー:[屋敷][金貨][役人][公領][銅貨]

●rin 7ターン目 山札=1枚 捨山=11枚
(手札)[庭園][役人][銀貨][木こり][銅貨]
(プレイ)[木こり]
(購入)[公領]
(購入)[銅貨]
ドロー:[屋敷][銅貨][銀貨][屋敷][銅貨]

●deko 8ターン目 山札=14枚 捨山=0枚
(手札)[屋敷][金貨][役人][公領][銅貨]
(プレイ)[役人] 獲得:[銀]
rin 戻す:[屋敷]
(購入)[祝宴]
ドロー:[銀貨][銅貨][銅貨][銀貨][銅貨]

●rin 8ターン目 山札=15枚 捨山=0枚
(手札)[銅貨][銀貨][屋敷][銅貨]
(購入)[庭園]
ドロー:[屋敷][役人][庭園][銅貨][木こり]

●deko 9ターン目 山札=10枚 捨山=6枚
(手札)[銀貨][銅貨][銅貨][銀貨][銅貨]
(購入)[金貨]
ドロー:[銅貨][屋敷][屋敷][銅貨][銀貨]

●rin 9ターン目 山札=10枚 捨山=5枚
(手札)[屋敷][役人][庭園][銅貨][木こり]
(プレイ)[役人] 獲得:[銀]
deko 戻す:[屋敷]
(購入)[銅貨]
ドロー:[銀貨][銀貨][銅貨][銅貨][銀貨]

●deko 10ターン目 山札=6枚 捨山=12枚
(手札)[銅貨][屋敷][銅貨][銀貨]
(購入)[祝宴]
ドロー:[屋敷][木こり][玉座の間][銅貨][銀貨]

●rin 10ターン目 山札=6枚 捨山=11枚
(手札)[銀貨][銀貨][銅貨][銅貨][銀貨]
(購入)[属州]
ドロー:[屋敷][銅貨][銅貨][銅貨][公領]

●deko 11ターン目 山札=1枚 捨山=17枚
(手札)[屋敷][木こり][玉座の間][銅貨][銀貨]
(プレイ)[玉座の間] 使用:[木こり]
(プレイ)[木こり]
(玉座)[木こり]
(購入)[公領]
(購入)[真珠狩り]
ドロー:[祝宴][銅貨][役人][公領][玉座の間]

●rin 11ターン目 山札=1枚 捨山=17枚
(手札)[屋敷][銅貨][銅貨][銅貨][公領]
(購入)[銀貨]
ドロー:[公領][銅貨][庭園][屋敷][庭園]

●deko 12ターン目 山札=20枚 捨山=0枚
(手札)[祝宴][銅貨][役人][公領][玉座の間]
(プレイ)[玉座の間] 使用:[祝宴]
(プレイ)[祝宴] 廃棄:[祝宴] 獲得:[公領]
(玉座)[祝宴] 獲得:[公領]
ドロー:[銅貨][銀貨][屋敷][銅貨][銀貨]

●rin 12ターン目 山札=19枚 捨山=0枚
(手札)[公領][銅貨][庭園][屋敷][庭園]
(購入)[銅貨]
ドロー:[銅貨][屋敷][銀貨][銅貨][銀貨]

●deko 13ターン目 山札=15枚 捨山=6枚
(手札)[銅貨][銀貨][屋敷][銅貨][銀貨]
(購入)[公領]
ドロー:[銅貨][金貨][真珠狩り][銀貨][木こり]

●rin 13ターン目 山札=14枚 捨山=6枚
(手札)[銅貨][屋敷][銀貨][銅貨][銀貨]
(購入)[公領]
ドロー:[銅貨][銅貨][銅貨][銅貨][銀貨]

●deko 14ターン目 山札=10枚 捨山=12枚
(手札)[銅貨][金貨][真珠狩り][銀貨][木こり]
(プレイ)[真珠狩り] ドロー:[銅貨] 見る:[屋敷] 選択:< <下へ>>
(プレイ)[木こり]
(購入)[公爵]
(購入)[庭園]
ドロー:[祝宴][祝宴][金貨][銅貨][銅貨]

●rin 14ターン目 山札=9枚 捨山=12枚
(手札)[銅貨][銅貨][銅貨][銅貨][銀貨]
(購入)[公爵]
ドロー:[銀貨][銅貨][公領][屋敷][属州]

●deko 15ターン目 山札=4枚 捨山=20枚
(手札)[祝宴][祝宴][金貨][銅貨][銅貨]
(プレイ)[祝宴] 廃棄:[祝宴] 獲得:[公爵]
(購入)[公爵]
ドロー:[公領][銀貨][屋敷][屋敷][銅貨]

●rin 15ターン目 山札=4枚 捨山=18枚
(手札)[銀貨][銅貨][公領][屋敷][属州]
(購入)[木こり]
ドロー:[役人][銀貨][木こり][銅貨][銅貨]

●deko 16ターン目 山札=25枚 捨山=0枚
(手札)[公領][銀貨][屋敷][屋敷][銅貨]
(購入)[真珠狩り]
ドロー:[公領][銅貨][祝宴][公領][金貨]

●rin 16ターン目 山札=23枚 捨山=0枚
(手札)[役人][銀貨][木こり][銅貨][銅貨]
(プレイ)[木こり]
(購入)[公爵]
(購入)[銅貨]
ドロー:[銅貨][銅貨][木こり][公爵][屋敷]

●deko 17ターン目 山札=20枚 捨山=6枚
(手札)[公領][銅貨][祝宴][公領][金貨]
(プレイ)[祝宴] 廃棄:[祝宴] 獲得:[公爵]
(購入)[庭園]
ドロー:[公爵][公爵][真珠狩り][銅貨][銀貨]

●rin 17ターン目 山札=18枚 捨山=7枚
(手札)[銅貨][銅貨][木こり][公爵][屋敷]
(プレイ)[木こり]
(購入)[庭園]
(購入)[銅貨]
ドロー:[銅貨][銅貨][銅貨][屋敷][銀貨]

●deko 18ターン目 山札=15枚 捨山=12枚
(手札)[公爵][公爵][真珠狩り][銅貨][銀貨]
(プレイ)[真珠狩り] ドロー:[役人] 見る:[銅貨] 選択:< <下へ>>
(プレイ)[役人] 獲得:[銀]
rin 戻す:[屋敷]
(購入)[真珠狩り]
ドロー:[銀貨][木こり][銀貨][銅貨][銅貨]

●rin 18ターン目 山札=14枚 捨山=14枚
(手札)[銅貨][銅貨][銅貨][銀貨]
(購入)[公爵]
ドロー:[屋敷][公領][銅貨][銀貨][庭園]

●deko 19ターン目 山札=10枚 捨山=19枚
(手札)[銀貨][木こり][銀貨][銅貨][銅貨]
(プレイ)[木こり]
(購入)[公爵]
(購入)[真珠狩り]
ドロー:[公爵][銀貨][公領][公領][金貨]

●rin 19ターン目 山札=9枚 捨山=19枚
(手札)[屋敷][公領][銅貨][銀貨][庭園]
(購入)[木こり]
ドロー:[庭園][屋敷][銅貨][銅貨][公領]

●deko 20ターン目 山札=5枚 捨山=26枚
(手札)[公爵][銀貨][公領][公領][金貨]
(購入)[庭園]
ドロー:[玉座の間][屋敷][銅貨][庭園][銅貨]

●rin 20ターン目 山札=4枚 捨山=25枚
(手札)[庭園][屋敷][銅貨][銅貨][公領]
(購入)[屋敷]
ドロー:[公領][属州][銀貨][銀貨][公爵]

●deko 21ターン目 山札=0枚 捨山=32枚
(手札)[玉座の間][屋敷][銅貨][庭園][銅貨]
(購入)[屋敷]
ドロー:[公爵][銅貨][銀貨][銀貨][公領]

●rin 21ターン目 山札=30枚 捨山=0枚
(手札)[公領][属州][銀貨][銀貨][公爵]
(購入)[庭園]
ドロー:[銅貨][銅貨][銀貨][公爵][庭園]

●deko 22ターン目 山札=33枚 捨山=0枚
(手札)[公爵][銅貨][銀貨][銀貨][公領]
(購入)[庭園]

ゲーム終了
deko 56点   22ターン
rin 40点   21ターン
★勝者: dekoさんが56点で勝利!!!

終了時デッキ内容
deko [銅貨]=7枚 [銀貨]=5枚 [金貨]=2枚 [屋敷]=4枚 [公領]=5枚 [真珠狩り]=4枚 [木こり]=1枚 [役人]=1枚 [玉座の間]=1枚 [庭園]=4枚 [公爵]=5枚
rin [銅貨]=12枚 [銀貨]=5枚 [屋敷]=4枚 [公領]=3枚 [属州]=1枚 [木こり]=3枚 [役人]=1枚 [庭園]=4枚 [公爵]=3枚

[終了:2010/08/15 01:30]

前回の「「序盤」、「中盤」、「終盤」の」お話は、この「今日の王国」をはじめてから、はじめてと言っていいぐらい「役にたつ」話だったのではないかと思っています。
というか、自分が書きながら、改めて納得することが多かったです。次からは、間違えないぞと。5

まあこれは、かなり「攻略」よりの記事です。6人によっては、「お金」作戦が有名になったときと同じく、

「そんなこと知ってた。そんなことみんなに言ったら、『ドミニオン』がつまんなくなった!」

みたいな批判がされるのかもしれません。
でも、でも、「ドミニオン」のカードって、セオリーが1つあったら、そのセオリーを崩すためのカードが絶対にデザインされて入っているような気がします。そう、無印の「ドミニオン」にはじめから「庭園」のカードが入っているように。
何か1つの方法やセオリーを、「正しい『ドミニオン』」と決めつけて、例えば、「礼拝堂」圧縮をした「とたんにつまらないゲームになる」とか、「詐欺師」や、「破壊工作員」や、「支配」を「壊れたカード」とか批判するのではなくって、それは、自分が考えたセオリーをどう崩していったのか、じゃあそれには、対処方法(勝ち筋)があるのかということ楽しめるといいなぁと思います。ときには本当に同じゲームかというほどの多彩な展開を楽しみながら。
だから、いくら攻略法を知っても、それが正しいとは限りませんし(本当に人がどう動くかで変わってくるものです)、まだまだ自分で考えていく余地のあるゲーム、それが、「ドミニオン」なのだと思います。7

で、今日考えようと思っていることは、その「序盤」、「中盤」、「終盤」の考え方は、「庭園」や、「公領」があるときにも使えるのかどうかということです。
ゲーム展開が失敗していますので、もしかすると結論なしなるかもしれないのですが、考えていってみます。

4ターン目から、りんは「庭園」にいっています。つまり、いきなり中盤戦いけると考えたわけです。
ここでは、「金貨」2~4枚入っていません。でも、「庭園」を購入しているのは、「庭園」に必要な4金、「公領」、「公爵」に必要な5金が、かなり簡単に手に入る金額がたと踏んだからです。
つまり、「序盤」から購入にいっても、4金や5金の安いお金なら、なんとかなると考えたわけです。これは、「庭園」あり、「公爵」ありという、特殊な勝利点カードか複数あって、

「相手よりも少しでも多く買わなければ……。相手よりも少しでも早く買わなければ」

という焦りも、かなりありました。
「庭園」と相性のよいカードを増やすアクションカードのに「木こり」と「役人」があり、「役人」は次のターンに確実に「銀貨」が手札にくるというのも、4金、5金なんてラクショーという考えを後押ししました。
しかし、これが、かなり甘い見積もりだということは、すぐに露呈します。

「銀貨」は、「金貨」へのステップアップとしてはかなり重要な役割を役割を果たしますが、普段は「金貨」が手に入り始めるとデッキのなかで微妙な地位になります。
「銀貨」を購入せずに、いきなり3ターン目か4ターン目ぐらいに、「金貨」が購入できれば、あと「銀貨」を買いたすということをしない人も多いのではないかと思います。
そんな微妙な「銀貨」ですが、4金や5金になるだけでいい特殊なデッキでは、輝いてきます。

「役人」は、そんな「銀貨」が1枚余計にデッキに増えるアクションカードです。
これがあれば、今回は安泰ちゃうん……。というのが、りんの甘い考えでした。
「役人」には、もう1つアタックカードとしての能力があります。これは、アタックされた人は手札から1枚勝利点カードを山札の上に置くというものです。
普段は地味なこの能力ですが、これは、特殊な勝利点カードを集めているプレーヤーがいると、強力なアタックになります。

特殊な勝利点カードがあるゲームは、それが入っていないゲームよりも、デッキのなかの勝利点カードの密度が濃くなることが多いです。単純に勝利点カード自体が多いせいもありますし、特殊な勝利点カードが安くて買いやすいということもありますし、たくさん集めなければなかなか強さを発揮しないとしいうこともあると思います(できれば独占。集めているのなら少なくとも全体の2/3は欲しいところ)。「公爵」の様に勝利点カードの枚数を増やさなければ、意味がないものカードもあります。
そして、そうやって増えた勝利点カードは、手札の中にけっこうあったりするのです。常に手札に勝利点カードがあるとしたら、「役人」の攻撃があるたびにダメージを受けてしまいます。
そうすると、届くと思っていた4金、5金に、けっこう届かないのです。
そして、先んじて勝利点カードを取っていくと、攻撃をうけてさらに回転が遅くなっていきます。

4ターン目以降、りんは、中盤戦に入ったということで、4金ならば「庭園」、5金ならば「公領」にいっています。まだ、「屋敷」には手を出さずに、「庭園」や「公領」が枯れるまで、それに手を届くようなデッキを作ることを考えています。ただし、これをはじめた時点で、もう6金には届きづらいデッキになってしまったいます。6金に届いても、「金貨」よりも「公領」優先にな感じでいこうと思っています。でも、「庭園」にいきたいのか「公領」-「公爵」にいきたいのかは謎です。……というか、思いっきり二兎を追っています。

一方、ねぇさんは、4金ならば「祝宴」、5金ならば「公領」、6金ならば「金貨」と、デッキを整えつつ、焦らずにプレーしています。「祝宴」は、後の「公領」-「公爵」への布石で、「庭園」よりも、「公領」-「公爵」を目指すぞという感じです。

10ターン目。りんは、8金に届きます。迷うところですが+購入がないので、「属州」。

12ターン目。ねぇさん。「玉座の間」に「祝宴」がのって「公領」2枚を入手。一気に公領の数を追いこします。

14ターン目。「公領」1山切れたということで、ねぇさんが本格的な中盤戦体制。9金+1購入で、「公爵」と「庭園」へ。この時点で、ねぇさん「公領」5枚で「公爵」が1枚5点。りんは、「公爵」1枚3点。
15ターン目。ねぇさん、「祝宴」と5金を使って、「公爵」2枚入手。

16ターン目。「木こり」と「役人」が一緒に手札に。木こりをプレイして6金にして「公爵」。「庭園」も、「公爵」も3点にはなる。こっちをねぇさんに取らせない方がいい。

19ターン目。2山目の「公爵」が枯れて、2人とも終盤体制に。「庭園」が枯れて、終了。

うーん、あきらかにりんの序盤戦から中盤戦への入るタイミングが早すぎたと思います。そして、作戦負け。

作戦負けの方ですが、ねぇさんには、かなり初めのターンから「祝宴」を購入していたのをみてもわかりますが、基本「公領」-「公爵」。後で、「庭園」を邪魔しにいく、という明確な作戦があります。
それに対して、りんは、最初に「庭園」に手を出して、次に「公領」買ってみてという感じで、なんか、あっちにもこっちも目移りしている感じです。

さて、「序盤」、「中盤」、「終盤」の考え方なのですが、こういう特殊なカードがある場でも、考え方としては悪くないと思います。

今回は、「木こり」、「役人」、「銀貨」×2を手にしたことで、りんとしては、序盤が終了したと考えたわけです。でも、後の展開を見ると、それがあきらかに早計すぎたとこがわかります。
早く買い始めて、特殊な勝利点カードを買い占めるどころか、「庭園」でタイ。「公領」-「公爵」にいたっては買い負けてしまっています。逆に早く買い始めることで、「役人」に弱いデッキを作って首を絞めています。
でし、いつが、ベストだったのか。

やっぱり、「金貨」2~4枚という目安は、ここでも有効かと思います。今回は、手札に求めるお金が少ないので、ねぇさんは、2枚でまわしています。少なくとも、りんよりは、上手にまわっています。

あと、ねぇさんが上手にやっているのは、特殊な勝利点カードの2枚買いです。

12ターン目の「玉座の間」に「祝宴」がのっての「公領」の2枚買い。
14ターン目の9金+1購入での「公爵」と「庭園」の2枚買い。
15ターン目の「祝宴」と5金での「公爵」2枚買い。
17ターン目の「祝宴」と4金での「公爵」と「庭園」の2枚買い。

2枚買いの効果は、単純に目的のカードを一気に2枚増やして相手にプレッシャーを与えるという効果だけではありません。
勝利点カードのデッキを薄めてしまう効果というのは、シャッフルのたびに累積していきます。おなじ勝利点カードをAは1枚ずつ購入。購入後のタイミングでにシャッフルが2回入るとします。もう1人のBは、1回目のシャッフルのときには購入せずに、2枚勝利点カードを購入後、2回目のシャッフルがおこったとします。
2回目のシャッフルの後は、2人とも点数も同じであるし、2枚の邪魔なカードがデッキに入っているということで、結果的には同じ様に感じるかもしれません。
でも、1回目のシャッフルの後では、Aは邪魔なカードがデッキに1枚あるのに対してBは1枚もありません。その分、高価なカードを購入などして、さらにデッキを整えることができます。
勝利点カードの獲得は、後にすればするほど、デッキの薄まる速度も遅くなるのです(まあそれで、遅くなりすぎて買えないと本末転倒で、その速度の違いが生み出すドラマも「ドミニオン」の魅力の1つです)。

それを考えると、勝利点カードがデッキに多くなるゲームでは、少なくとも、2、3回は、特殊な勝利点カードを複数枚手に入れる手段が整う必要があると思いました。

今回の王国カードで、特殊な勝利点カードを複数枚手にすることができる可能性があるカードは、「木こり」と「祝宴」です。少なくとも、中盤戦に入るには、この2種類のカードを使って、「庭園」か、「公領」が2枚手に入るデッキ作りが必要だったのだと思います。

で、ねぇさんが複数買いした、12、14、15、17ターン目ですが……。
12ターンの「玉座」-「祝宴」というのは、狙っていたとは思うけど、できすぎだとも思います。まあ、それまでに「祝宴」3枚も購入しているので、「無謀」とまではいかないと思いますが。
14、15、17ターン目は、「木こり」と、「祝宴」が絡んでいるのはもちろんのことなのですが、必ず「金貨」があるのも気づきます。
うーん、やっぱり、「金貨」なのかなぁ……。

4金には「銀貨」でいいような気もしますが、5金には「金貨」がいるような気がしてきた……(ものすごい感覚で書いています)。

「庭園」だけの環境ならば、「銀貨」2~4枚ぐらいと+購入のカードがあって、8金+購入で複数枚購入できるか、「工房」系があって、「工房」と4金とか、「村」、「工房」、「工房」とかで複数手に入れる手段が整った場合は、序盤を終了して中盤戦に移ってもいい気がします。

「公領」-「公爵」のある環境なら……5金は、「工房」系では手に入らないからなぁ。やっぱり、複数枚手に入れるには、「金貨」が1~3枚ぐらい必要だと思います。10金+購入で複数枚購入できるか、「祝宴」とかがあって「祝宴」と5金で複数枚手に入る手段が整うまでは、序盤としてデッキを整えた方がいいと思います。

ただここで考えなければならなのは、

本当に、「庭園」や、「公領」-「公爵」にいくの?

ということですね。
なにを今さら。強いって言ったジャン。みたいな感じですが。

でも、「工房」系や「祝宴」などのカードがない場合、お金で「庭園」や「公領」が複数枚購入できる体制というのは、「属州」が買えるということでもあります。
そして、「庭園」も、「公領」-「公爵」も、一度集め始めれば、どんどんデッキを腐らしていく、けっこう取り返しのつかないカードでもあります。
もしかすると、素直に属州を買っていって、終盤戦で「庭園」や「公領」にいった方が……。
いやいや、それまでに独占されていれば……。
じゃあ、独占されないぐらいに妨害しながら……。

うーん。
最後は、「思います」とかばっかりで、結論のでない終わり方になるのですが、実際のところは、実戦で楽しみながら(悲鳴をあげながら)、確かめていくしかないのだと思います。

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  1. 5人、6人でする場合は、「属州」だけが、それぞれ、15枚、18枚と増えていきます。 []
  2. それでも、「屋敷」を買うというのは、なかなか勇気がいるものだったりしますが。 []
  3. 今回は、「大広間」、「貴族」、「ハーレム」、「島」など、ハイブリットなカードについては、考えません。これらのカードは、邪魔にならないこともあるからです。 []
  4. 初めての「魔女」ゲームだったので、2人のときは「呪い」10枚というルールを知らず30枚使っていました。 []
  5. 書いたのが8月23日なので、今回のリプレイを含めて、間違ったままプレイしているのがいっぱいあったりしますが……。 []
  6. 「序盤」に、じゃあ金貨2~4枚に届かせるにはどうしたらいいのかとかは、一切、答えていないので不親切きまわりない穴だらけの「攻略」ではありますが。 []
  7. 「お金」作戦が取りざたされ「最強」とされているときも、でもその最初の「銀貨」を「木こり」に変えるだけで、「お金」だけを買っていくよりは、だいぶん強くなるよなぁというのは、けっこうすぐにわかることでした。多分、この「序盤」、「中盤」、「終盤」の考え方も、そんなふうな簡単な穴があいているかも…。そして、それを得意顔で言ってるわたしって……と、赤面する日がくるのかも……。申し訳ありません(気弱!)。 []