百器徒然袋 山颪 薔薇十字探偵の憤慨
薔薇十字探偵シリーズ、第3弾。
おもしろいけど、京極堂シリーズほどのすごみは感じないです。まぁ、マンガも1巻完結ですし軽い感じがします。
榎津さんが、あまりにも強すぎるというのもあると思います。
「悪い」と「真面目」の同居が、いい味をだしています。
山嵐(やまあらし)ではなくて、山颪(やまおろし)だということには、今、気づきました。
「聖伝」終了。
そして、「CLASSIC COLLECTION」としても完結。
「聖伝」ではじまって、「聖伝」で終わりですね。
今回、初めて気づいたのは、孔雀の過去がバックにながれていたことですね。てっきり、阿修羅の過去とばかり思っていた。まぁ、実は後半のこのあたりは、以前読んだときは、けっこう飛ばし読みだったかも。
これがしっかりと読めていなかったので、孔雀が阿修羅にいろんなことを賭けていたことを読み切れていなくて、最後まで、孔雀が謎のキャラでした。ただの不思議な人だと思っていた。
オチとしては、「レイアース」の第1部のラストと同じような展開でした。
まあ、あっちは、第2部に続くということで、
「こんなのって こんなのってないよー!!」
という、主人公の絶叫で終わるという衝撃的な最後1でしたが、こっちは、それはよりは、ハッピーエンドっぽい感じに終わっています。
いや、本当にハッピーエンドかどうかは、微妙なんですけどね。
多分、以前読んだときは、わたしが、
「こんなのって!!」
と思った気がします。
そして、昔は、帝釈天、実はいい人だったみたいな、悪なんてやっていることのみかた次第の相対的なものだみたいな結末だと思っていました。
思っていたのですが、今回読んでみて、あれですね……。
実は、でも、もう1回ひっくり返して、自分の欲望や約束にだけこだわっていたら、今まで自分が拠り所にしていた世界を壊してしまうよという話だったのかもと思ったりしました。
帝釈天もそうなのですが、夜叉も実は、阿修羅を選んだことで一族を滅ぼしてしまった。
それを、心の強さとみるか、自分勝手さとみるか、欲望に流されているとみるか、それは、それぞれの取り方次第です。
多分、年代によっても変わってくるのかも。
「風立ちぬ」関連の本です。ずっと、引っかかっていて、映画見た直後に何冊か購入してのんびりと読んでいます。
これをちゃんと、堀 辰雄の「風立ちぬ」と一緒に、ジブリ「風立ちぬ」関係本としてならべる本屋……素敵です。でも、確かにあの映画見たら、こういう流れになるよねぇ(笑)
「エヴァ」がはやっていたとき、「死海文書」の本が売れたのと同じ?
零戦を作った男、堀越 二郎の書いた零戦の誕生と活躍についての本です。
どうやって、零戦が作られていったのか。オレたちは、真似だけじゃなかった。誇り高き現場からのレポート。
当然といえば当然ですが、宮崎 駿のかいた堀越 二郎とは、まったく違う二郎です。
「風立ちぬ」の堀越 二郎は、堀越 二郎ではなくて、宮崎 駿なんだろうなぁと思います。
それでも、この堀越 二郎も、「風立ちぬ」をみて嫌な気持ちになるかというと、そんなことはないと思う。
これは、堀 辰雄の「風立ちぬ」の感想でも書いたとおり。
あの映画は、なにかものを作っている人の「呪い」とか、「高揚感」とか、そういうところは、多分、本当にリアルなんだろうなぁと思います。
職人のお兄ちゃんは、純粋に感動していたしな。