陰陽師 天鼓ノ巻
うむ。今、「逆髪の女」を読み返して、ホロッときていました。
「ものまね博雅」や、「鏡童子」など小品も、いい感じです。
ただ、これこの本のラスト2編。つまり、ラスト2編が連続で小品。
作品の並べ方は、もうちょっと工夫してもいい気がします。
博雅の天然が光る1冊です。
まあ、博雅、いつも光っているんですが……。
「返しに来るなら…なぜ盗むのだ?わからん」
のシーン、知っている展開なのに大爆笑してしまいました。そして、なーんも考えずに笛を吹き続けるという……。素敵だ。
さて、このお話、でも、どうやってたたむんだろう?うーん、いろんな話をたたまないままかな?
夢枕 獏の「陰陽師 瀧夜叉姫」のマンガ版。
描いた睦月 ムンクという人は、知らないです。
博雅が、わたしのイメージより若いのですが、そんなに違和感ないかな。
岡野版「陰陽師」のように、ぶっ飛んだ展開を期待したいけど、それは無理かな。
冲方 丁は、今まで読んだことがなかったですが、ライトノベルのイメージがあったので、もっとSFよりのお話を想像していました。
「暦をつくる」といえば、陰陽師。ということで、「帝都物語」的なお話を期待して読み出しました。
期待とは全然違って、まったくSFではなかったですが、楽しく読めました。
勉強がおもしろいことに気づかしてくれる1冊ですね。これと「哲学的な何か、あと数学とか」は、学生時代に読んでおきたい物語だと思います。
青春ものであり、少年マンガ的であり、それでいて、歴史物としてリアルで楽しい。
なにより、主人公だけでなくて、出てくる人がいい味を出していて素敵です。
すばらしい。
岡野版陰陽師復活です。
もう、本当に夢枕 獏の原作からかけ離れたところにきてしまいました。でも、こっちはこっちで大好きです。
今回は、晴明の子どもと真葛が中心になってくるのかな?
特に真葛は、ほとんど、この物語の作者の様に、全体を支配している感じがします。
前の陰陽師は、男性の魔術師の論理で動いていたところがありますが、今回は、女性の論理で物語が動いていくという宣言なのかもしれません。