宮崎駿,角野栄子,読書シネマ・コミック,宮崎 駿,文春ジブリ文庫,文藝春秋,角野 栄子,,魔女,魔女の宅急便

魔女の宅急便 シネマ・コミック5

実は、ジブリというか、宮崎 駿って、原作を大事にしていないと思います。
割と原作にそって作られていても、どうしても、宮崎 駿という作家が前面に出ちゃう。それが、魅力でもあるけれど。
高畑 勲の場合は、徹底的に原作を読み込む。

そして、この原作に対して、それほど宮崎 駿、思い入れないだろうという感じのする「魔女の宅急便」です。

でも、それ故に、肩の力が抜けて、傑作ができたのかも。

宮崎駿,読書宮崎 駿,文春ジブリ文庫,文藝春秋,,風の帰る場所,魔女,魔女の宅急便

風の帰る場所 ナウシカから千尋までの軌跡

宮崎 駿のインタビュー集。
まあ、いかに適当に「魔女の宅急便」を作ったかということが語られています。

それぐらいがいいんでいなかい。本気出すと狂気が混じるからなぁ。

古川日出男,読書ブラック・ジャック,二〇〇二年のスロウ・ボート,古川 日出男,文春文庫,文藝春秋,歴史,

二〇〇二年のスロウ・ボート

彼が治療に何の効果もなくて、自分がそんな者必要なく良くなったのだと考えるのなら、それはそれで、結構。
つまり、治療がとても上手くいったということなのだと思う。

という感じで、アレのリミックスということで、かなーり、ギチギチに警戒して読み始めた「二〇〇二年のスロウ・ボート」ですが。
コレは、アレの100倍ぐらいおもしろいです。
というか、どこまで行っても、ストーリー指向です。古川 日出男。雰囲気だけで書いているアレとは大違いだと思います。

まあ、これはわたしがストーリー指向であるためだと思います。

そして、これも偽史。ここでも、さりげなくフィクションの歴史が、現実を侵略してきます。
徹底している。

特に好きなシーンは、ブラック・ジャックの様に、女子高生が制服の裏の包丁を見せたるところ。
そこから先の疾走感は、最高です。

そういえば、このお話では、走るっていうのが、ものすごい大事なテーマになっています。脱出のために。そして、何かを得るために走る。
最後の手紙まで、本当にドキドキして読みました。

でこねぇさんは、この本を見て、

「これ、あの怖い話書く人だよねぇ」

といっていました。
わたしは、この人、怖い話というイメージはまったくないのですが。
ひたすら、中二的にかっこいい。

半藤一利,宮崎駿,読書バカの壁,三国志,半藤 一利,文春ジブリ文庫,文藝春秋,百田 尚樹,腰抜け愛国対談,

腰抜け愛国談義 半藤一利と宮崎駿の

半藤 一利さんという方は、知らないです。けど、三国志についての対談本が出ていたので買いました。

「バカの壁」の人との対談よりは、おもしろく読めました。
まあ、それでも宮崎 駿は、基本的に人の話聞いちゃいないんですけどね。
それでも、政治的な話が全面にでないで、自分のマニアな趣味とかが中心になっていた方が魅力的だし、素直で楽しいと思います。

心性としては、実は宮崎 駿って、百田 尚樹とそんなに変わらないと思います。

スタジオジブリ,文春文庫,読書かぐや姫の物語,ジブリの教科書,スタジオジブリ,天空の城ラピュタ,宮崎 駿,政治,文春ジブリ文庫,文春文庫,文藝春秋,映画

火垂るの墓 ジブリの教科書4

不思議だ。
「トトロ」で語られる言葉は、全部いらない言葉に聞こえるのに、「火垂るの墓」で語られる言葉は、1つ1つが重くて、何かを伝えようとしていると感じられる。

どっちの作品が、優れているとは言えないと思うのだけど、「トトロ」は語られることを拒否する物語で、「火垂る」は語りを誘発する物語であるようだ。

そこが、宮崎 駿と高畑 勲という2人の天才の、違いなのかも。

信用できないと思っている妹尾河童の語る野坂のエピソードさえ、ちゃんと聞こえてくる。
そして、野坂本人にすら、語らせる力が、この映画にはあったのだろう。

そして、そこまでの作品であるにもかかわらず、監督の高畑自身の欲望は、深く深く、物語のなかに、原作の中に隠されている。

大塚さんの話は、楽しいのだけども、最近のいつものように、ちょっと自分の政治的な思想に寄せて考えすぎだ。
自分の政治的な主張を強化するためだけに「作品」があるのだとしたら、それはつまんないことだと思う。
それから、多くが宮崎との対比で高畑が作った的なことを書いているけれど、どうも、鈴木 敏夫の話なんかを聞いていると、相手の作品を気にしているのは宮崎の方で、もし本当に対比させて作ったのだとすれば、それは、「火垂る」に対比させて「トトロ」が作られているということだと思う。

おそらく、それ以前の宮崎作品への高畑からのメッセージというのはあると思うけど、多分、「トトロ」の表現の細部を気にして「火垂る」が作られた訳ではないだろう。

もちろん、この題材を選ぶ時点で、「トトロ」との対比ということは意識されただろうし、宮崎が自分のいなところで、なにをどんな風にかくのか、ある程度は、高畑は知っていたし想像しただろうけども。
多分、高畑からの直接のメッセージは、「天空の城ラピュタ」と「かぐや姫の物語」が対応しているみたいに、ものすごく長いスパンのもののような気がします。

歴史に残る映画です。
見たら、トラウマも残るけど。

けど、その棘を心に突き立てたまま、ぼくたちは活きていく。