ぼっち博士とロボット少女の絶望的ユートピア1
なるほど。
フリーレンと同じお話だといえば同じ話ですね。
永遠の時間を生きていかなければいけない彼女と、その後のことまで考えて一緒に過ごしている主人公。
それが、淡々と、ちょっと笑いを含ませながらかかれている。
なかなか、狡いお話です。
ロボットの仲間も増えてきて、一層、にぎやかになってきました。
ロボットが人間に似ているのではなくて、もしかすると、人間が精巧なロボットなのかもしれない。
生まれ(つくられ方)によって、価値観が違ってくるところはあるけれど、それは、人間だって同じ。そして、価値観がどうしてもあわない者がいることも、人間もロボットも同じです。
もしかしたら、ロボットの方が善良かもしれない。
他人に何かを感じたり期待したりすることが、「人間」の誤解であるというのなら、人間同士でも、その誤解が生じているだけかもしれない。
これから、どんどん問題になっていく倫理の問題のような気がします。
2015年のSF。
ここ何冊かは、普通に読みやすい。ということで、前半は、スーッとあんまりひっかかりなしに読み進めていきました。
まあ、毎回読めない酉島 伝法の小説も載っていたのですけれど(笑)
梶尾 真治「たゆたいライトニング」。まあ、「エマノン」シリーズは、おもしろいよねぇ(マンガしかしらんけど・笑)と思って読み進めていって、想定内、想定内。
北野 勇作「ほぼ百字小説」あたりから、様子がおかしい。
「ほぼ百字小説」は、最初は、なんだこれおもしろいのかと思っていたのですが、お話がたまって、繰り返されたり重なってきたりしたあたりから、メチャクチャおもしろくなっていく。
次はこうくるなというのを逆手に取った展開をしていくのが、SFという感じでした。
菅 浩江「言葉は要らない」は、ロボットもの。2冊前で宮部 みゆきの「さよならの儀式」でちょっと不満だった部分が全部解消されていて、あぁ、こういうのが読みたかったのよと感動しました。
この人のもっと読みたいな。
上田 早夕里「アステロイドツリーの彼方へ」も、AIと人との交流という感じで、こういう異種族間の交流ものが、やっぱり自分にとっては好物だなぁと改めて。
なに、この怒濤の後半の作品群。
石川 宗生「吉田同名」も、ハチャメチャでおもしろかった。SFって、これでいいんだと思います。
なんだろう、ここに感想書いた4編は、どれも、ちょっと懐かしい時代に呼んでいたSFの香りがするような気がします。
それこそ、星 新一や、小松 左京の時代の雰囲気。
影響を受けているというのもあるかもしれないけれど、もしかしたら、時代が一周した感じもあるなぁ。
「60年代日本SFベスト集成」を、ゆっくりゆっくりですが、このシリーズ「年刊日本SF傑作選」と並行して読んでいるせいで、よけいにそう感じるのかもしれません。
ロボットもの。この人のロボットものは好きです。
まあ、ロボットよりも、人間の感情を信じていないところはある感じですが、その感情が幻でも、幻としてちゃんと存在している感じがある。
ロボットのもついろいろな課題や問題を、ちゃんと前に進めているなぁと感じます。
まあ、ラフだから練られていない展開というのはあるけれど、これはこれで、このむき出しな感じというのはアリだと思う。
ラフのままではもったいないんだけれども、この味はラフでなければ出せなかったりする気もします。