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イティハーサ6

昔、読んだときは、単純な物語しか理解していなくて、鷹野の桂に対する思いとかは、全然理解していなかったなぁと思います。
弟ではなくて、並んで立つ者になりたかったんだとやっと気づきました。
そして、その想いの元は、ずっと前に見た桂の後ろ姿からきていて、本当に、シーンに1つも無駄がないマンガだったのだと思い知らされます。

そういえば、なんで、こんなに執着しあいながら、最後に結ばれるのが、鷹野とトウコではなくて、ヤチオウとトウコであったりするのかがとかいうのは、やっぱり、ずっと理解できなくて、理解できなかった故に、ずっと、心の中にトゲとして刺さっていたのでした。

今回、読み返してみて、「イティハーサ」は、水樹版「百億の昼と千億の夜」なんだなぁと、そういう読み方をしてはじめて、スーッと理解が通ったところがたくさんあります。

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イティハーサ5

好きなシーンがいくつかあって、青比古が、

「お…おれは、時々 キョウジになりたくなる」

というシーン。
それから、香夜がタカヤに、

「おれはもう殺したくない…」

とタカヤが心に思っていたことをかわりに言うシーンですね。

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ファウンデーションと混沌 下 新・銀河帝国興亡史2

モラルが高い人間は、ロボットと同じように人に危害を加えたりしない。
そして、性能がよくなるにしたがって、ロボットは、自分の使命がないことにむなしさを感じたりもする。
しかし、そんなふうに考えられることが。ロボットにとって幸せなことかどうか…。

第2ファウンデーションの計画が、こんなに直前まで揺れていたというのは、どうだかなとは思いますが、けっこう、楽しんで読めました。

ところで、これ、シリーズ3部目でも、ハリ・セルダン出てくるんですよねぇ?
ということは、また、時間はもどるのか?

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イティハーサ4

言葉を口にすることの重さと大切さがあります。

言葉は、大好きな人への呼びかけであったり、自分の想いであったり。

言葉のもつ意味は、思われて、口に出されて、音になって、少しずつその力を強めていきます。

だから、口から出る言葉は、出来る限り「いい言葉」であってほしいと思います。
難しい世の中なので、そういうわけにはいかないのですが。

それが、どんなに実現不可能そうにみえても、万感の思いをこめて、

「大丈夫だよ」

と。

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イティハーサ3

おもしろいです。
もちろん、物語もなのですが……。
きのう、「ぼくを探しに」のカケラの話をかいて、今日、この本をよむというのが……。

ここでも、カケラの話がありました。

青比古という登場人物がいて、この人は、とても穏やかな人なのですが、ひとつの疑問にとりつかれている。
それは、簡単にいうと、

「人はどこから来て、どこへ行くのか?」

みたいな問いなのですが、もうその問いに囚われちゃっているんです。

だからといって、その問いに囚われて他人との交流を絶っているかというとそんなことはなくて、その問い故に、世界に対して自分をオープンにしてしまっています。

その彼が、

「おれの魂は、人としての何かが欠けているのだ」

というんです。
彼を理解している那智が、それを聞いて、

「おまえはこの美しい天地と調和できる唯一のヒトかもしれぬ。
 その欠けている魂ゆえに…」

というようなことを考えるわけです。
ここでは、欠けていることは、青比古の原動力としてかかれています。

なんか、こういうタイミングって、あるもんだなぁと思います。