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かごめのジョナサン 完成版

4部目が新たに付け加えられた「完全版」です。

20年以上前に、「かもめのジョナサン」を読んだのは、兄のオススメだったからだったと思います。
まあでも、面白いけど胡散臭い話だなあというのが、そのときの正直な反応です。

解説の五木 寛之の感想と同じ感じです……というか、モヤモヤとした気持ちが、五木解説を読むことでいくらかスッキリ考えられるようになった感じです。
これは、今、モヤモヤした感想があると、岡田 斗司夫の解説聞いてある程度スッキリさせているのとよく似ているなぁ。
この20年、あんまり成長はしていないのかもしれません。

今回、4部目がはいって、あぁ、これは必要だなぁと感じました。
モヤモヤの原因も分かりました。

「かもめのジョナサン」っていう話は、あくまでも、大乗を否定する話なんですよねぇ。
でも、そのときのわたしの思いとしては、どこかに大乗的な考え方が正しいという思いがあった。それが、最近は、ちょっとわたしも大乗的な考え方から離れつつあります。
そして、4部ば入ることで、それがさらに明確になっています。

うーん。
大乗からだんだん離れつつあるのは、大乗がどうしても人を支配する思想だということに気づいてきたからでもあります。
それが、自分の課題でない限り、他人の責任を誰も背負うことはできないし、背負うべきでもないと思うのです。

そして、今も昔もかわらずに、カモメの写真は、かわいい。それでいいのかも。

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プリニウス1

ローマもの。
今回は、タイムスリップ無し。

背景をとり・みきが描いていると聞いて、ビックリ。

わたし、昔、水木しげるは、絵が下手だと思っていて、それは、キャラクターの絵しか見えていなかったからで、実はものすごい細かい背景が点描で描いてあったりするのにある日突然気づいて、ビックリしたことがありました。

もしかして、とり・みきも、そうなのか。キャラクターに、ごまかされていた??
そうかも、しれない。

むさいおっさんが、ひたすら好奇心を持って世界を見るというだけのマンガですが、これがけっこう、楽しいです。

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アンティック・ドールは歌わない カルメン登場

かっこつけている感じの栗本 薫。

「カルメンシータ・マリア・ロドリゲス。友達あたしをカルっていうよ。敵はカルメンと呼ぶ」

って、日本人だろう?

でも、その言い切りが、なんか、気持ちよくていいんですよ。
そういう人もいるかもしれないと思わせる強さがある。

ある意味、型にはまっているのに、「永遠の0」で感じたみたいな陳腐さがない。うーん、わたしのただの好みかも。

栗本 薫の長編のハードボイルドは、最後のどんでん返しでちょっと今までのドラマを壊しちゃうようなところがあるのですが、これは、短編の連作なので、そういうところもまったくなくて、そこもいい感じでした。

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三国志1 桃園の巻

基本に戻って吉川版「三国志」です。

北方版「三国志」の後、自分的に退屈に感じて読めなくなってしまっているのではないかと心配していたのですが、面白い。

講談社版は、全巻のページ数を合わせるために(?)ものすごくいい加減なところで巻が終わっていて、そこが嫌な感じなのですが、新潮文庫版は、ちゃんと切れ目で巻が終わっていて、読みやすい感じです。

物語のもっていきかたが巧みです。
お触れを見ているシーンから始まる記憶があったので、はじめの展開とか、こんなにドラマチックだったと言うことをすっかり忘れておりました。

この本を読んでいるときの三国志のキャラクターは、なぜか人形劇のキャラクターです。
これと、人形劇が、やっぱりわたしのなかの三国志の基本。

あと、解説読んで、えーー、三国志演義の主人公って、関羽と孔明なの??
そりゃ、しらなんだーー。

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菜穂子・楡の家

映画「風立ちぬ」関連本として読みました(笑)

菜穂子さんは、気が強い感じの女の人。でも、なんか押しはめちゃくちゃ弱そうという……。
映画の「風立ちぬ」のイメージよりも、流されちゃう感じです。

印象が「風立ちぬ」ほど強くないです。
それは、一人称でないからというのもあるのかも。

あんまり、物語としては大きなうねりとかはなくて、淡々と人の心の中でなにかが動いているようなお話でした。