ピアノの森25
あぁ、いよいよ最後だなぁと。
あと1巻です。
「西遊妖猿伝」も、3年以上ぶりぐらいかも。
最近、けっこう諸星 大二郎のマンガもいろいろ出ていますね。「栞と紙魚子」のシリーズは、思わず買ってしまっています。
昔、「暗黒神話」とか「孔子暗黒伝」とか「マッドメン」の頃は、真面目なSF的なお話にものすごく引かれていたのですが、最近は、それだけが魅力じゃないと思います。
なんというか、真面目なところと、ギャグなところが、ものすごくいい具合にブレンドされていて、そこが楽しいし、読みやすいです。
そしてそれは、今まで意識しなかっただけで、ずっと昔の作品からあったなぁと思います。
今回は、双子の動きとか、拝火教の人たちの面倒くさとか、そんなこと全く気にしない悟空の様子とか、そういうのが、けっして不真面目ではないのだけれど、無理なくお話の中に入っています。
読むと、グッと引きつけられます。
選ばれる条件は、能力ではなくて周りの納得が得られる人物ということで、けっこう、この物語は一貫している。
ここまで来た人間は、みんな誰が選ばれてもおかしくないぐらいの力を持っている。そして、選ぶためのテストではなくて、ふるい落とすためのテストをしているのだから、最後に大切になってくるのは確かに人柄かもしれないと思ったりもします。
これから先、現実の世界では、テストの透明性とか、そういうことがこれまで以上に言われるようになってくると思います。
でも、それがオープンになったとき、その得点の付け方、選び方について、いろいろな議論がでてくるのは目に見えています。
でも基本は、「選ぶ人間が決める」です。
それは、もちろん完璧であることなんてあり得ない。そして、その不備を指摘しているだけではどうにもならない。
ドラマを見えているときは納得できても、自分が落とされたときに納得できるかどうか、自分の子どもが選ばれなかったときに納得できるかどうか。
そういうことが、問われるようになる。
それでも、選ばれなかった者が、今回みたいにものわかりがいいとは限らないからねぇ。