逆行の夏
「逆行の夏」という題名と、「水星で暮らすぼくとママのところに、クローンの姉が月からやってきた」
という謎のあらすじに惹かれて読み出した短編集です。
あと、「ヴァーリイをご存じない」というオビのアオリが格好良かった。
「逆行」?時間SFなのか?
クローンなのに、姉?そして、クローンなのに、ボーイ・ミーツ・ガール?誰のクローンなんだ?
けっこう、期待値高くして読み出した1番最初の表題作ですが……合わなかった。
全然、時間SFではなかったです。そして、なんというか、たしかにあらすじ通りだったけど、ちょっとわたしの思っていたのと違う。
それは、2作目の「さよならロビンソン・クルーソー」でも感じで、ずっとこの調子だとつらいなぁと。星2つぐらいかなぁと。
「バービーはなぜ殺される」で、ちょっと面白くなってきたのですが、これも、最後のオチがイマイチなっとくがいかない。うーん、肌にあわないのかなぁと思っていたのですが、「残像」から後は、俄然面白くなってきました。まあ、「残像」のオチは、まだ、首をひねってたのですが、「ブルー・シャンペン」と「PRESS ENTER■」は、最後まで含めて凄く好きです。
うーん、結局わたしは、良くわかるメロドラマが好きなのかもしけない。
「PRESS ENTER■」のホラーなオチも好きです。実は、主人公のただの妄想なんじゃないかと思えてくるような不安定さ。
最後には、楽しくなっておりました。
結論としては、おとなしい感じの八世界シリーズが、肌に合わないのかなぁということで、創元SFの方には多分手を出さないと思います。