無償の愛

平井和正,読書

人狼天使 第1部 アダルト・ウルフガイ・シリーズ7

「ウルフ・ガイ・イン・ソドム」と「憑霊都市」。
ソドムとニューヨーク。ふたつの悪魔崇拝の街で繰り広げられるウルフの孤独な戦い。

まあ、悪徳のなかに同性愛までいれちゃっていいのかというのは、今のモラルからすると、私的には完全にアウトではあるが……。まあそのあたりは、精神的な結びつきがというよりは、肉体的な快楽を追い求めてはいけないという戒めではあるのかも。

ソドム時代のウルフの中に、現代のウルフの意識があって、いろいろ考えています。この時間が過去から未来に一方的にながれているわけではないという感覚は、なんというか平井 和正の凄さだなぁと思います。時間的な過去・未来の他に、魂の経験としての別の軸の過去と未来がある。
まあ、それをぼくたちは、どう読んで良いのかわからないのですが。
そして、ソドム時代のウルフは、普通の人間なんだというのが、けっこう衝撃的。

まあでも、天使が出てきて、話がまったく違うところにいくのではなくて、メトセラ・プロジェクトを追っている形なのは、ちょっと安心した。
そこも、だんだん怪しくはなってきていますが。