裸の王様

広瀬正,読書

ツィス 広瀬正・小説全集2

音が聞こえる。それからはじまるパニック小説。
そして、やっぱり、「マイナス・ゼロ」と同じく、地味だ。

以下、ネタバレありです。

どれぐらいの規模のパニックかというと、東京都民がほとんど疎開してしまわないといけないぐらいの大パニックです。
でも、逃げまどう人たち……とか、そういうのは一切なくって、静かなパニックです。

オチが、暗示だというのはなんとなく読めていたのですが、

「それも納得いきません」バチン。

という感じのラストは、ちょっと、とまどうというか、ディテールを書くのが大事で、オチはあんまり考えていなかったのかなぁと思わされてしまいました。

余韻のある終わりかたといえば、いえないこともないか?

でも、このディテールの細かさは、不思議なリアリティをうんでいます。