こころとからだ

榎本ナリコ,読書

センチメントの季節8

「センチメントの季節」最終刊です。

最初は、少年少女に視点を置いていたこの物語も、だんだんと大人の視点にシフトしていっている感じです。
1つは、少年少女なんて縛りでは、パターンが決まってしまうということもあるのだと思いますが、これをかくことで、榎本 ナリコ自身も、なんか、成長していったというか、感じるところがあったような気がします。

リアルって、なんでしょう?

それこそ、子どもの時代は、体の感覚だけがリアルだった。でも、思春期を越えて、心の比重がどんどん大きくなっていく。でも、多分、心だけがすべてというのも、また、間違っているのかもしれない。
その時、その時によって、振り子みたいに、価値観は揺れ動いているのだけれど、どっちかを大事にしなければ、そのツケは、もう一方にも影響を及ぼすというのは、真実の様な気がします。

純粋であるのかないのか、そんなことにこだわる必要は、本当はないのかもしれない。
それは、ただの妥協かもしれないけれど。でも、妥協することにも、意味はあるのかも。