隠の王 公式ガイド+ドラマCD al fine
最終刊を読んでから、4年ぶりに読むガイドブック。
インタビュー、最後のラジオドラマ良かったです。
なんで今頃……。次の「少年ノート」も終わったよ。とかは、言ってはいけない。
北原 文野版「銀河鉄道の夜」です。
こうやって、何回も、読んだり、いろいろな人のかきなおしを読むと、宮沢 賢治が、あえてかかなかったものや、時間がなくてかけなかったもの、かいてからけしていったものについて、いろいろ考えることがでてきます。
ものすごくストレートなメッセージを持っていて、でも、それを押しつけにならないように、ならないようにと、暗喩で包んでいく。
その過程が、少しずつ見えてくる気がするのです。
何回読んでも、不思議な話です。
ますむら・ひろしと宮沢 賢治のコラボです。
これは、マンガとしては、かなり原作に忠実にかかれています。雰囲気や、言葉も、場面も、ものすごく注意してかかれている。
まあ、わたしは、ますむら・ひろし贔屓なので、そう感じるのかもしれませんが。
初期型の「銀河鉄道の夜」の方が、賢治の思っていること、メッセージをストレートに伝えているなぁとかわったり、だからこそ、賢治が、その「お説教」を「物語」として昇華していきたくて、推敲に推敲を重ねていたのだと感じたり、いろんな発見がありました。
ますむら・ひろしの「星がない!」という話と、「お盆だった」という話は、特に、あんまり誰も指摘していないことだけど、ものすごく重要なことですよね。
こうやって、いろいろな人に、読まれ込んでいくことは、とても意味のあることだと思います。
「第1部」、「第2部」にわかれていたりして、目次だけ見ると長編かと思うのですが、短編です。多分、連作でもないと思うのですが……。
本人の中では、連作だったのかも。というか、松本 零士のなかでは、自分の生涯の仕事、全部の物語が、つながっているような気もします。
表題作は、原作、宮沢 賢治とかいてありますが、まあ、原作というよりも、原案的な感じです。オマージュ。でもこれは、たしかに、「銀河鉄道999」の原型なのだと思います。
この人は、短編の名手だったのですが、中編の方があまりにも有名になりすぎて、短編が散逸してしまっている気もします。
全集的なものが、出版されるとうれしいです。