私の中のあなた一覧

きみと生きてく 明日だから

ノーベル賞受賞者の精子バンク

思った以上に面白かった。同時に、いやな感じも残るんですけどね。

わたしが、人工授精とか、この手のことで知っている知識は、昔読んだ夏樹 静子の短編ぐらい。
今調べてみると、「ガラスの絆」っぽい。

あと、海外のフェミニスト系SFかなにかで、ホモセクシャルの友だちのために子宮を提供する女友達の話を読んだような気がします。
多分、女性の作家で短編。
確か、ホモセクシャルの友だちのために子宮を提供する女性は、ウェンディとか呼ばれて、社会的に認められているような設定だったような記憶が……。
これは、全然、検索してもわからないなぁ。多分、ハヤカワSF。

というわけで、まあ、天才の遺伝子から天才が生まれるかどうかは興味ないんだけれど、それが生み出す人間関係は、どうなっていくんだろうという興味があります。
「馬とかは、完全に血筋ジャン」とか言い出す人もいるかもしれませんが、あそこまで特化してやったことで、サラブレットって、自然に生きて行くためのものを一杯捨ててしまっていて、多分、繁殖されている分には良いけど、人間の保護がないとかなり生きていけない動物になってしまっている気がします。

あぁ、デザインベビーの話だとすると「私の中のあなた」も、関係ありか。
あれは、姉を生かすために妹を産むというお話でした。

どうしても、子どもを持ちたいというその思いには応えたいとは思うけれど、あんまり人が触れてもいい領域ではない気もしています。
諦めろというのは、傲慢なのかもしれないけれど。それでも、不妊治療は、自分の精神や肉体をつぶしてまですることではないというのが、今の時点のわたしの判断です。
いや、それは、この本のお話からはちょっとずれているか。

人工授精という枠の中に、「デザインベビー」、「不妊治療」、「家族」などいろいろな問題が入っていて、それが問題を難しくしていますね。

デザインベビーが、デザイン通りじゃなかった時にそれをうけとめることができるのか。もちろん、普通に産まれてくる子たちですら、すべて受け入れられているわけではないのに。

じゃあ、妊娠を免許制かなにかにして、ちゃんと育てられる人だけに許可するのか?それも、違うよねぇ……。
それもなんか、優生学的なにおいがする気がする。

基本、子どもが生まれるのは良いことだと思っているんです。
どんどん生まれて、どんどんしあわせになって欲しいんです。
保証なんか何もないこの世の中だけども。

生まれてよかったのかどうか、決めるのは自分。
生まれてこなければ、それすら、決められない。


物語としての正しさ

私の中のあなた 下

久方ぶりに、ねる時間を削って、最後まで読みたいと思わせる小説でした。
ラスト以外は、ずっと映画とかぶっているにもかかわらず。ものすごく、ドキドキしながら最後まで読みました。

ケイトの恋愛が、たった一章で終わっちゃったのとかは、まあ、そうなんだろうと思うけれど、なんていうかやりきれない感じです。
そして、それでも語り出さないケイト。

衝撃のラストは、本当に、予想外でした。
わたしは、もっとオカルトチックなことが起こるのだと思っていました。
そして、ラストでやっとケイトが語り出す。かなり、計算し尽くされた効果でした。

賛否両論は、うなづける。

うーん、お話としては、ものすごく正しい終わり方だと思います。
映画と本と、どっちを先に読んだかで、多分、感想が左右されてしまうぐらい微妙なバランスの上にあると思います。

そして、わたしは映画を先に見た人です。
以下は、それを前提に。

ネタバレありです。

 

続きを読む


家族の時間

私の中のあなた 上

おもしろいです。
映画を先に見ています

けっこう、映画と原作との違いは、気にならないかな。
映画では、学習障害を持っていた(だっけ?)弟のジェシーが、原作では兄です。
まぁ、これは、あんまり短い映画の中に、いろんなドラマを持ち込みたくなかったというのもあると思います。

あと、映画は、ケイトがけっこう物語の中心でした。
原作の方は、ケイトがなにを考えているかは、実は、わからない感じになっています。
物語の視点が、どんどん動いていくのに、ケイトの視点だけがないのです。少なくとも、上巻では。
ケイトの恋愛話とかは、後半に出てくるのかな?

最後に、映画になかった大どんでん返しがあるらしいので、それを楽しみにしています。賛否両論らしいです。

アナ視点だと、サラはひどい母親に思われがちだけれど、そんなこともないよねぇと思います。だって、弱い子と強い子がいれば、弱い子に手をかけるのは当然だと思うし。

でも、強いってどういうことか、弱いってどういうことかは、いつも問いとしてあります。