桜moon
けっこう、酷い話が多いのは、吉村 明美らしいといえばらしい。それはそれで、まあ、悪くない。
でも、「スノーバラード」のラストは、なんじゃこりゃという感じでした。ギャグのつもりか?
えーと、妹が、「薔薇のために」という台湾ドラマにはまってて、
「貸して」
というので、家の本棚を探したらありました。まだ読んでない(笑)「薔薇のために」が。
で、年末から年始にかけて貸していたら、
「めっちゃよかった」
と返ってきました。
「麒麟館グラフィティ」は、けっこう楽しかったという印象があるので、それならわたしも、「薔薇のために」を読もうと……でも、その前に出版されている(そしてまだ読んでなかった)この「今でも夢に見る」と「桜 moon」を読んでみようということで、手に取った1冊です。
なかなか、キッカケがないと読めなかったかも。
読むと、おもしろいのですが、なんでなんとなくさけていたのかの理由が見えてきました。
「麒麟館グラフィティ」でもそうだったのですが、吉村 明美の登場人物は、微妙に微妙に、わたしのツボからはずれているのです。
特に、気の強い人。これをかかせたら、けっこう天下一品だと思うのですが、それが、わたしのツボからずれております。
それはやっぱり、わたしの押しが弱いからか(笑)あんまり、押し強くなりたいとも思わないしなぁ……。
このマンガの行き着く先が、十一だとしたら、なんと無惨なほど正確に、この作者は現実を切り取ってしまっているんだろうなぁと思う。
でも、少しずつ礼智が、友だちにとけ込んでいったように、そして、結局、十一が助かってしまったように、行き着く先のそのさらに向こう側をなんとか、のぞきこもうとしている。
その部分を信じて。
そうした冷たいぐらいに冷静な目のにしか見えない真実もきっとあるから。
「今林君の次に!!」
は、ちょっと笑ってしまった。でも、そういうことってあると思います。
これはでも、4年生ぐらいの感覚というより、2、3年生ぐらいの感覚かも。
3年生と4年生って、結構、壁がある気がします。どうでしょう?
ものすごく厳しいお話。でも、その厳しさの中に、現に生きているんだなぁと思います。それぞれに、それぞれの事情を抱えて。
でも、お母さんの優しさとお父さんの素直さは、どこかで救いになっているかも。
わたしは、合田くんが好きです。
マスコミが、嬉々として子どもを殺している今この時期に、この本を読むというのも、なんともタイムリーというか……。
子どもの世界は、残酷で、偏見に満ちていて、そして、本人たちにとって「どうしようもないこと」でできている。かつても、いまも、これからも。
そんな、当たり前で、多分、子どもの時代には知っていた、そして、大人になるにつれて目をそらしてきた。そんなことでできているマンガです。
だから、礼智は、けっして特別な子どもではありません。例え大人にとって、それがどんなに非論理的で、ワガママ、子どもっぽく見えたとしても、それぞれ子どもたちは、自分の事情と、理屈の上で行動しています。
特に、大人と子どもの境界線にある10歳の時間のなかでは。